米国男子ツアー(下部含む)の“ドライバー上手”は何を使う?

2022-23シーズンを終えたPGAツアーと、残り3戦の下部・コーンフェリーツアー。国内男子ツアーで昨年まで活躍した、チャン・キム(米国)が下部で連勝しているが、PGAツアーの1Wスタッツ上位の使用ギアとどんな違いがあるのかをチェックした。
 
まずは、ドライビングディスタンスについて。今季のPGAツアーの平均飛距離は299.9ydでスタッツの残る181人中92人が平均300yd超。かたや、コーンフェリーツアーでは、平均飛距離が306.6ydとPGAツアーを上回り、152人中116人が平均300ydを越えていた。それぞれ飛ばし3傑の使用ギアが下記だ。

【PGAツアーの飛ばし上位】
1位/ローリー・マキロイ326.3yd▶テーラーメイド『ステルス2+』
2位/ブランドン・マシューズ321.2yd▶スリクソン『ZX7 Mk II』
3位/キャメロン・ヤング3216.9yd▶タイトリスト『TSR3』
 
1位のマキロイは、既報の通り20-21のブライソン・デシャンボーの平均323.7ydを更新し、歴代最長の平均飛距離をカーボンフェースでマーク。また、2位のブランドン・マシューズは、ヘッドスピード(56.56m/s)や滞空時間頂点の遠さキャリー(313yd)もツアー1位で、こちらはフルチタンの『ZX7 Mk II』を選んでいる。

【コーンフェリーツアーの飛ばし上位】
1位/アレハンドロ・トスティ325.0yd▶スリクソン『ZX5 Mk II』
2位/ケビン・ドハティ324.5yd▶テーラーメイド『SIM2 MAX』(ステルス2+)
3位/クリス・ゴッタラップ324.3yd▶PING『G430LST』(SIM2)
 
1位のアルゼンチン出身のトスティはマシューズと違ってスリクソン『ZX5 Mk II』を選んでいた。また、2位のドハティと3位のゴッタラップは今季複数メーカーの1Wを使用し、2人とも一時『SIM2』シリーズを選ぶ点が印象的。日本のドラコン選手も『SIM2』愛用者はかなり多いが、洋の東西を問わずハードヒッターに結果が出るのか。
 
次は、平均飛距離(Distance Rank)の順位に加えて、FWキープ率(Accuracy Rank)も上位という「トータルドライビング」上位選手を見ていく。ドライバーが“飛んで曲がらない”プレーヤーが選ぶギアに特徴は出るのか。

【PGAツアーのTotal Driving上位】
1位/キース・ミッチェル(D13位/A39位)▶ミズノ『ST-X 230』
2位/パトリック・キャントレー(D35位/A18位)▶タイトリスト『TSR2』(TS3)
3位/ブレント・グラント(D20位/A41位)▶スリクソン『ZX7 Mk II』
 
ミッチェルは契約するミズノの“鉄芯”入りの『ST-X 230』で、トータルドライビング1位を戴冠。また、今季から契約フリーになった2位のキャントレーは長年手放せなかった『TS3』から『TSR2』に変更。終盤また『TS3』にしたが、契約フリーでもタイトリスト製を好む点は相変わらず。
 
また、3位のグラントも、ここまで見てきた上位3傑と同様、フルチタン&マットクラウンのスリクソン『ZX7 Mk II』を使用。てっきり外ブラ4社(ピン・キャロウェイ・テーラーメイド・タイトリスト)が強いかと思いきや、ドライバーの上手い米国男子選手たちが日本のブランドを選ぶ点が興味深い。

【コーンフェリーツアーのTotal Driving上位】
1位/リコ・ホーイ(D16位/A44位)▶テーラーメイド『ステルス2+』
2位/エミリオ・ゴンザレス(D17位/A51位)▶タイトリスト『TSi3』
3位/ジョー・ハイスミス(D44位/A25位)▶タイトリスト『TSR3』
 
1位のホーイは『ステルス2プラス』だが、2位と3位はタイトリスト。この辺りは、常時PGAツアーでドライバー使用率No.1なだけでなく、コーンフェリーツアーでも常に上位の同社らしいと言えるだろう。

関連記事