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その手があったか!ミズノがディンプルの最深部をズラす『RB TOUR /X』で空力改善

業界初、アクシアルフローディンプルの搭載でキャリーが伸びる、ミズノ『RB TOUR』(左)と『RB TOUR X』(オープン価格)

ミズノから新商品発売の連絡が届いた。

「今月、新製品のゴルフボールが発売しました。新機能【アクシアルフローディンプル】を採用し、ディンプル周辺の空気を剥離させ乱流とすることで、後方部にまで空気の流れを付着させます。気圧の差でボールを後ろに引っ張る力【抗力】を低下、推進力を向上しました」(同社広報)
 
■ルールの盲点を突き、他社の特許を突破!

過去にはコアのねじり戻りに着目してコアに突起をつけた『クロスエイト』や、566個の「世界最多ディンプル」を採用した『JPX DE』などユニークなボールを送り出してきた同社。今回も、ディンプル形状で大きなブレイクスルーを生み出した。
 
「ボールにはR&Aによる外径・重量・初速・対称性など様々な制限がありますが、ディンプル形状に制限はなく、ディンプル性能を高めて空気抵抗を抑えるとさらなる性能の進化が期待できる」と、同社。実に3年以上の開発期間を経てついに新技術を開発、特許取得に成功した。それが業界初の【アクシアルフローディンプル】だ。
 
ボールの飛行には重力の他に、後ろへ引っ張る抗力、スピンで上に上がろうとする揚力が発生するが、ディンプルの最深部を敢えてズラすことにより、ディンプル周辺に乱流が発生。空気の流れを付着させる結果、一般的なディンプルより抗力を減らすことで推進力アップする。他社の多数の特許をかい潜って「設計自由度を大幅に高めて飛行性能の向上に繋がった」と言う。
 
■ロボットでキャリー+7y!?

その効果はいかほどか? 同社は2019年モデルの前作とのロボットテスト結果を公開する。「前作はドライバーで高スピンで高弾道で吹き上がって飛ばない弱点がありました」と正直に認めるものの、なんと『RB TOUR』では新作がキャリー+4.7yd『RB TOUR X』に至っては+6.8ydをマークしたとか。
 
他社の新旧ロボットテストでここまでの数字は聞いたことがない。1~2yd伸びれば良い方で、他社の担当者は「ロボットテスト結果は寂しく感じるものですが、人間が打つ実感では約3倍増しになる」と話している。つまり、旧『RB TOUR』を使う人は、新作で大幅にキャリーを伸ばせそうだ。

これだけ伸びたにもかかわらず、前作よりコンプレッションは低くなり、新作は競合3社のツアーボールと同レベルに。しかも「他社競合の中でもトップクラスに柔らかいウレタンカバーの採用で、ソフトな打感と高いスピン性能を追求した」そう。ウェッジスピン量やアイアン飛距離などのロボットテスト結果も公開し、競合と遜色ないことが見て取れる。
 
また、前作の弱点であったカバーの耐久性も材料の改善によって改善しているとのこと。「キャリーが落ちてきた」と悩んでいるゴルファーなら、一度、使ってみる価値がありそうだ。

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