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36歳の伏兵がタイガーを彷彿させる快進撃 神がかり的パットに「週末もこのまま良ければ」

36歳のブライアン・ハーマン。その眼にはクラレットジャグという大きな獲物が映っている(撮影:GettyImages)

<全英オープン 2日目◇21日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>

強風で頭を悩ませた選手が多い中、伏兵ブライアン・ハーマン(米国)が1イーグル・4バーディの「65」。ボギーなしの安定したラウンドで単独首位に躍り出た。

最大の要因はパッティングだ。ステディなストロークで、ショートパットから長くて難しいものまで、ナイスパットを連発した。レフティーは「ここ2日間パッティングが好調なんだ。週末もこのまま良ければいいね」と笑みをこぼす。

スター選手揃いのPGAツアーでは目立たないタイプだが、大会直前の同ツアーのポイントランキングで6位。ワールドランキングでも26位の選手として、ロイヤルリバプールに乗り込んだ。

そして初日に「67」の好スコアをマークすると、迎えた2日目は2番で6メートルのバーディパットをねじ込み、続く3番では8メートルを沈めて流れをつかんだ。続く4、5番でもバーディ奪取に成功。瞬く間に8アンダーまでスコアを伸ばして、2位以下を突き放した。

バックナインではガマンのゴルフを強いられる。しかし要所で好アプローチを繰り出してピンチをすり抜けた。圧巻は12番。ラフからの4打目を放り込んでチップインパーで乗り切り、さらに16、17番では好調のパターが再び冴えた。そして最終18番でも5メートル近いイーグルパットを決めて、今大会唯一となる二桁アンダーまでスコアを伸ばしている。

「16、17番で良いパーが取れた。あの2つは、次の18番で気持ちに余裕を持たせてくれたという意味でイーグル同様に重要だった」と振り返った。

ハーマンのこの日のストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献度)は『8.39』で出場選手中1位の数字だ。長らく使用しているパターとの相性は抜群のように映るが、今季途中には「本気で変えようと考えていた」という。

「私にとっては本当に良いパターだけど、今季は少し低調だったんだ。でもここ数週間はグリーン上で転がりが少し良くなり、感触をつかんだ気がしていた」

ロイヤルリバプールで行われた全英オープンの最少スコアは「65」。2006年のタイガー・ウッズ(米国)もハーマン同様に2日目にこの数字を叩き出して優勝を手繰り寄せ、14年は初日から「66」と好スタートを出したローリー・マキロイ(北アイルランド)が逃げ切った。

さらに両者が持つ36ホール終了時点での最少ストローク「132」は今大会のハーマンと同様の数字である。過去の王者たちの傾向に似ているが、酸いも甘いも心得ている36歳は「あまり考えないようにしたい」ときっぱり。

「所詮ゴルフ。過去には、全米オープンで54ホール終了時点でリードしたこともあるけど、あの時は考えすぎてしまったように思う」

幼少期からハンティングを趣味としているハーマン。残り2日間も好調をキープして、クラレットジャグという人生最大の “獲物”を捕まえるつもりだ。

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