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「いろんなツアーを経験、挑戦したい」 QTトップ通過の“韓流ルーキー”ソン・ガウンはどんな選手?

QTを1位で突破した“韓流ルーキー”ソン・ガウン(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 最終日◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

韓国からやってきた“ルーキー”がQTトップ通過だ。宋佳銀(ソン・ガウン)が最終日にボギーフリーの「67」と伸ばしてトータル9アンダー。いきなりその存在感を示した。

2000年12月5日生まれ。“プラチナ世代”にあたる22歳のガウンは、10歳からゴルフを始めると、19年に韓国女子(KLPGA)ツアーでプロ入り。21年にはレギュラーツアー「ハナファイナンシャルグループチャンピオンシップ」で初優勝を飾り、新人賞を獲得した。翌年にはファン投票によって選ばれる『KLPGA広報モデル』にも選出され、ツアー2勝目も挙げた。

今季は未勝利に終わり、「今年はKLPGAでいい成績を出せなくて自信がなかった」というなか、それでも日本ツアーに挑戦することを決めた。その理由は「いろんなツアーを経験、挑戦したいという気持ちを持っている」から。将来的には米女子ツアー挑戦も「夢がないわけではない」と憧れを抱くが、「自分は距離が出る方ではないので、いまは考えていない」。自分自身を冷静に見つめながら、一歩ずつ“人生設計”を立てているような姿には賢さも感じさせる。

今年11月のプロテストで一発合格を果たすと、QTファーストステージ(A地区)は2位で突破。そしてファイナルQTでは「予想していなかった」堂々のトップ通過を決めた。最終日の前夜には、大好きなとんかつでパワー注入。そのときに日本ではとんかつが縁起のいい食べ物ということを教わり、「(とんかつから)運をもらった気がします」とニコリ。まさに、ゲンを担いで4日間を戦い抜いた。

来季の日本ツアー前半戦出場権を得たが、「スポンサーと相談したい」と“フル参戦”とはならない予定。ひとまず、24年は韓国ツアーを軸にして、スケジュールを調整することになりそうだ。とはいえ、シーズンを戦うためにはリランキングを突破することも必要になる。日本と韓国を往復する転戦が始まる。

来週行われる「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」(グレートアイランド倶楽部・千葉県)は、ビザ取得が間に合わずに出場できず。日本での初戦は来季の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」になる予定だ。「100%が最大だとしたら、私はいま120%まで盛り上がっています」とデビュー戦を心待ちにしている。

ルーキーによるQTトップ通過は2013年の藤田光里以来となる。まだあどけなさも残り、愛くるしい笑顔を持つガウン。来季の動向に注目していきたい。(文・笠井あかり)

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