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優勝戦線はどう動く? 全英ムービングサタデーで注目すべき5つのポイント

“荒れ模様”のムービングサタデー。スコアボードはどう動く?(写真は2日目)(撮影:福田文平)

<全英オープン 3日目◇22日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>

9人出場した日本人選手で予選通過を果たしたのは松山英樹と星野陸也の2人。星野は日本時間午後7時、松山は午後9時10分のスタートとなる。

日本人選手以外に目を向けてみると、今年の「全英オープン」では注目すべきところが満載。なかでもムービングサタデーの3日目に押さえておきたい注目ポイントを5つ紹介する。

1.最終組のB.ハーマンはプレッシャーに耐えられるか?

順位の変動が激しいことから『ムービングデー』と呼ばれるが、現在単独首位を走るブライアン・ハーマン(米国)は、そのような動きは望んでいないはずだ。

2日目を「65」の好スコアでフィニッシュしたハーマンは、2位に5打差をつけて36ホールを終えた。大差をつけられたものの、彼を追いかける2位以下の選手たちは、36歳のアメリカ人に少しでもプレッシャーをかけようと必死にプレーをすることになる。

最大の注目はハーマンがこのストレスに耐えられるかどうかだろう。昨日のハーマンは、ほかの選手とは異なった惑星でプレーしているかのごとく、秀逸のプレーを披露した。2~5番ホールで4連続バーディ、そして最終ホールのイーグルは圧巻だった。おそらく今ごろは、ロイヤルリバプールの雨天のなかでプレーする同業者たちのプレーをテレビ観戦しているかもしれない。

また、同組のトミー・フリートウッド(イングランド)は5ストロークの差をどのように詰めてくるのか。地元出身で人気抜群のフリートウッドについてくるギャラリーの数もハンパではないだろうが、その重圧を跳ね除けることもハーマンにとってはタスクの一つになるはずだ。

ハンティングが趣味であるハーマンだが、トップの位置で逆に“ハンティングされる”立場に置かれることになる。2017年の「ウェルズ・ファーゴ選手権」優勝以来、6年以上優勝から遠ざかっているだけに、プレッシャーへの対応力がカギを握ることになる。

果たして、日本時間午後11時30分にスタートするレフティは、逃げ切り態勢に入って最終日を迎えられるのか?

2.雨天がプレーに与える影響は?

土曜日のロイヤルリバプールゴルフクラブの天気予報は雨時々曇りである。

開幕からの2日間は一時的な雨はあったものの、おおむね好天に恵まれていた。しかしサードラウンドに入って、その様相は大きく異なるだけに、選手たちがこの大きな変化にどれだけ対応できるかが、スコアメークに大きく影響を及ぼすことになるのは間違いない。

リンクスコースに慣れた英国勢には有利に働く可能性もある。例えばスコットランドのマイケル・スチュアートなどは、大荒れの天気を願っているかもしれない。

またフリートウッドを含む5人のイングランド人が、2日目終了時点で11位タイまでに入り込んでいる。マシュー・サウスゲート、マシュー・ジョーダン、リチャード・ブランド、ローリー・キャンター。この全員がローカルファンの声援を受けつつ、クラレットジャグを目指していくわけだ。

3.午前スタート組の成績

リンクスコース特有の強風が牙をむいた2日目。多くのビッグネームが予選落ち、もしくは下位のポジションでぎりぎり予選突破に成功した。

世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)や昨年大会覇者のキャメロン・スミス(オーストラリア)は、昨日の最終ホールでそれぞれバーディとイーグル奪取に成功。首の皮一枚つなげて決勝ラウンドに残った。

さらにブルックス・ケプカやパトリック・キャントレー、リッキー・ファウラー(いずれも米国)といった優勝候補たちもアーリースタート。午前中にティオフする彼らのパフォーマンスが上位陣に動揺を与えることもある。

4.不気味な存在となる30歳のオーストリアン

セカンドラウンドでバックナインのベストスコアを出したのがセップ・ストレイカ(オーストリア)だった。最終7ホールで6個のバーディを奪い、スコアボードを駆け上がった。トータル4アンダー、単独3位で決勝ラウンドに臨む。

エリートゴルフの世界では“ゴルフ途上国”と言ってもいいであろうオーストリア出身の選手。それだけに失うものは何もない。

昨日のホールアウト後、優勝の可能性について「現時点ではなんと言っていいか分からない」と語っていたが、「すべては日曜日に決まる」と自信をのぞかせていた。

5.「勝ち誇る権利」を得るのはフィッツパトリック兄弟のどっち?

兄弟で今大会に出場している、マシューとアレックスのフィッツパトリック・ブラザーズ。ともに2オーバーで予選を通過し、まったくの同じ土俵で両者は戦うことになる。

今週はお互いを褒めたたえ、フェアなジェントルマンシップを見せている2人ではあるが、「家庭内のライバルには負けたくない」という意識は心の内に秘めているはずだ。

なぜなら勝者には、クリスマスディナーで家族が集まった際に“勝ち誇る権利”が与えられることになるからだ。

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