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女子では珍しいクラブも駆使し地元コース攻略へ 山内日菜子が“下剋上”に向け首位発進

山内日菜子が地元・宮崎で躍動。下克上に向けて好発進だ(撮影:福田文平)

<アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 初日◇24日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6565ヤード・パー72>

今季のQTランクは181位。限られた出場のチャンスを生かさなければならない26歳が、地元・宮崎県で存在感を発揮した。山内日菜子はレギュラーツアーでの自己ベストスコアとなる「67」を記録。5アンダーで5人が並ぶトップのひとりになった。

「毎回、ほかの試合とは少し違う緊張感がありますね。知ってるコースだし、周りを見ても知ってる人がいっぱいいるので、安心できます」。小学校3年生から回りつくし、このオフも週1回程度は訪れていたコースで迎えた今季のレギュラーツアー初戦。「ショットもまあまあ良くて、無理せず乗せて、そのパターが入ってくれました」。2019年には18位になっている大会で、納得のゴルフを続けることができた。

今年でプロ8年目。19年にはレギュラーツアー34試合に出場したが、それ以外の年は下部のステップ・アップ・ツアーを行き来しており、トップカテゴリーに定着できずにいる。そんな山内が今意識しているのが「自信」。オフの間も「私は上に行けるんだ」と、自分に言い聞かせた。「柏原明日架ちゃんもそうなんですけど、明日架ちゃんのお父さんが背中を押してくれました。『ひなちゃんは絶対にシードを獲れる。上手い、上手い』って」。同じ宮崎出身で1歳年上の先輩と、その父親の言葉により考え方を大きく変えることができた。

また、女子ゴルフの会場ではあまり見かけないクラブも今年から投入している。表記は3番ウッドのハイロフト。これは4番ウッド、いわゆるバフィの役目を果たしている。テーラーメイドの『ステルス2』を使用しているが、山内にとって3番ウッドは扱いづらく球が上がらなかったため、メーカーに相談したところ手渡されたものだという。「パー5のセカンドはだいたい使っているし、ティショットでも使いました。簡単に楽に上がってくれるので、無理しないで振ることができます」。今ではコースで重宝する一本になっている。

QTでは思うような結果が出せなかったが、現在181番目の優先出場順位をリランキングで上げて、中盤戦以降の出場権を手にすることは可能。「出られる試合で(結果を)残すしかないという気持ちでずっとやってました」と、本人もそれを見据えている。そのためにも「ビビッてしまう」わけにはいかない。

そして、まだ初日を終えたばかりだが、さっそく大きなチャンスが訪れている。「ガマンするところはガマンして、狙っていけるところはしっかり狙っていければ攻略できると思います」。コツコツポイントを稼ぐことは必須だが、一気にその立場を変える“優勝”ももちろん狙える位置。自信を胸に立つ慣れ親しんだコースで、下剋上への狼煙(のろし)を上げたい。(文・間宮輝憲)

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