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エイムポイントも新たに導入 31歳・仲宗根澄香は日々進歩「私はどんどん成長している」

エイムポイントを取り入れた仲宗根澄香。初優勝は十分に射程圏内だ(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 2日目◇19日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

後半にロングパットを次々に沈めた仲宗根澄香が「67」をマーク。トータル8アンダーの4位タイと優勝戦線に名乗りを上げた。女子ゴルフ界は低年齢化が進み、20歳前後の選手が大活躍中だが、仲宗根が目指すのは31歳での初優勝。今季はエイムポイントを取り入れるなど、若手に負けじと進化を続けている。

最近の若い選手たちとは違い、仲宗根のプロとしての歩みはゆっくりだ。プロテスト合格は23歳だった2015年。当時は非会員もQTに参加できたため、プロとしてツアーでプレーしながら5度目の挑戦だった。その後、下部のステップ・アップ・ツアーで4勝を挙げたが、レギュラーツアーではなかなか結果を残せず。初シードはコロナ禍で統合された2020-21年シーズン。30歳になり、初めてシード選手として臨んだ昨季はメルセデス・ランキング80位でシードを落とし、今季はQT9位の資格でスタート。リランキングは10位で突破した。

成績だけを見れば、苦しいプロ生活という印象も受けるが、仲宗根は「ここまでケガもなく、楽しくゴルフができるのは本当に幸せ。丈夫な体を与えてくれた両親に感謝して、できる限りプレーし続けたいなと思っています」と明るく、そして前向き。今季はシード復帰と初優勝、そして日々成長し続けることを目標に開幕を迎えた。

4月の「富士フイルム・スタジオアリス」の4位を除くと、今季ここまで目立った結果は出せていないが、日々の成長は実感している。「私はどんどん成長しているんですけど、周りも上手くなっているのでなかなか上には行けませんね」。そんななか、シーズン中に新たに取り入れたエイムポイントには特に手ごたえを感じている。

顔の前に手をかざすポーズが特徴的なグリーン上のラインの読み方で、国内女子ツアーでは稲見萌寧らが実践。「以前から話は聞いていたのですが、オフはなかなかタイミングが合わず、6月にようやく講習を受けられました。狙いが明確なので、構えてから“もうちょっと切れるかな”と考えたりする、無駄なワンクッションがなくなったのが大きいですね」。この日は10番で10メートル、12番8メートル、15番ではカラーから15メートルとロングパットを面白いように沈めてバーディーを量産。「全体に傾斜があって、景色にも惑わされやすい」という難しいグリーンを迷いのないストロークで攻略した。

かつてはそれほど珍しくなかった30代の初優勝も、日本人選手では16年「サイバーエージェントレディス」を制した福嶋浩子(当時38歳)を最後に出ていない。「今までもチャンスはあったんですけど(初優勝を)欲しがり過ぎて空回りみたいな部分があったと思います。今回はコースの難しさもあって、前がかりになり過ぎずに行けるかな」。童話のようにウサギは寝て待ってはくれないが、ゆっくりでも着実に成長してきた仲宗根なら、最後に亀が勝つストーリーをきっと描けるはずだ。(文・田中宏治)

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