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「クラブは替えてないけど、セッティングはかえている」 3勝目を引き寄せた大槻智春のスタイル【勝者のギア】

ピンのドライバー『G400 MAX』は、19年の初優勝時にもバッグに入っていた(撮影:ALBA)

<パナソニックオープン 最終目◇24日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7113ヤード・パー72>
 
待望の3勝目は見事な逆転劇だった。首位と2打差の3位タイからスタートした大槻智春が最終日に6バーディ・ボギーなしの「66」と完璧なラウンドで今季初優勝。ツアー通算3勝目を飾った。

2019年にツアー初優勝を挙げた大槻。20年、21年シーズンでは優勝はなかったが、クラブ契約がフリーとなった昨年、「ANAオープン」で石川遼をプレーオフで下し2勝目を挙げている。
 
3勝目に貢献した注目の使用クラブだが、大槻に聞くと「ほぼほぼセッティングは替わっていない」という。確かにプロ入り当初から使うアクシスゴルフの『Z1ウェッジ』や、1ピンの18年モデルのドライバー『G400 MAX』など長く使い続けるクラブにこだわりの強さを感じる。
 
新たなエースドライバーを探すため、さまざまなクラブのテストも実施してきた。しかし大槻は「いろいろ試したんですけど、いまは結局元に戻った感じですね」と、昨年の2勝目から、今回の優勝までの間にクラブの変更は何度かあったが、いまは元のさやに収まった形だ。
 
実際、大槻のドライバーの上手さはツアー屈指で、飛んで曲がらないティショットの指標となるトータルドライビング(ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率の順位の合算した順位)では、初シードを獲った18年からトップ5を外していない。今季もここまで4位につけており、今大会でも4日間を通じて2位に入っている。それだけに『G400 MAX』には絶対の信頼を置く。
 
ただ、もちろん新作モデルも積極的に取り入れている。3番ウッドは昨年のANAオープン優勝時に使用していたプロギアの『RS JUST』からキャロウェイ『パラダイム ◆◆◆(トリプルダイヤモンド) ツアー』に変更。アイアンセットのPWを抜いて、46度のウェッジ『ボーケイSM9』を入れている。
 
また、大槻は「クラブはずっと替わっていませんが、セッティングは初日からかえていました」と明かす。初日には3番アイアンを抜いて7番ウッドを、2日目には5番ウッドを入れるなど、 その日のコースの状況に合わせて細かな変更を加えていた。
 
さらに、試合という実戦の場で「試したいクラブがあった」こともクラブ構成をかえた理由。優勝会見では「練習よりも、試合の中で調子を上げていきたい。その状況の中でいい球、いいリズムで振りたいというのがあるので」と話した。新しいクラブも試合の中で使ってこそ、その真価が判断できるという大槻流のスタイルで戦っている。
 
その考えはパターではより顕著となる。大槻はスコッティ・キャメロンのパターを何本か持ち歩いて、グリーンの速さや自分の調子によって使い分けている。最近は今大会で使用したブレード型の『ニューポート2 プロトタイプ』と、マレット型の『GOLO6 プロトタイプ』の2本をメインとしてきたが、シンプルなストロークとグリーンのタッチが合っていることから、『ニューポート2 プロトタイプ』をチョイス。最終日は23パットで見事に勝利を引き寄せた。
 
【大槻智春の優勝クラブセッティング】
1W:ピン G400 MAX(9度/Tour AD DI-6TX、45.25インチ)
3W:キャロウェイ パラダイム ◆◆◆ ツアー(16.5度/Tour AD クアトロテック 75X)
3I:テーラーメイド SIM UDI(20度/Tour AD プロトタイプ)
4I:ピン i230(AMT TOUR WHITE X100)
5〜9I:ピン BLUEPRINT(DG EX TOUR ISSUE)
46度:タイトリスト ボーケイSM9(DG EX TOUR ISSUE)
50度:タイトリスト ボーケイSM9(DG EX TOUR ISSUE)
55度:タイトリスト ボーケイ ウェッジワークス(DG EX TOUR ISSUE)
60度:アクシスゴルフ Z1ウェッジ(DG EX TOUR ISSUE)
PT:スコッティ・キャメロン ニューポート2 プロトタイプ
BALL:タイトリスト PRO V1

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