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【記者会見】“天王山”を前にホームで快勝!長野・米村尚也「点を取れる選手が増えている」

9月22日、ことぶきアリーナ千曲にてボアルース長野vsマルバ水戸FCが行われた。

まずは5分、丸山裕輝がネットを揺らし幸先よくスタートする長野だが、14分に2失点を喫し1点を追う展開に。しかし、18分に籔内涼也のミドルシュートで同点に追いつき2-2で試合を折り返す。

第2ピリオドで攻守のギアを上げた長野は、26分、ゴール前でのファウルでフリーキックのチャンスを得ると、キャプテンの米村尚也がしっかりと決め切り、勝ち越しに成功。続けて27分には、岡本生成が追加点を挙げ4-2で試合を終え、次節のヴォスクオーレ仙台との天王山を前に、チームを盛り立てる勝利を収めた。

試合を終え、山蔦一弘監督とキャプテンの米村尚也が記者会見に出席した。

勝つべくして勝ったゲーム

●ボアルース長野|山蔦一弘監督

──試合を振り返って。

前半は水戸のモチベーションも高く、非常に運動量もあってディフェンスで苦しむシーンが多かったです。個々が裏を取られたり、簡単なプレーで失点をしてしまったので、ハーフタイムにもう一度ギアを上げ直そうという話をして臨みました。後半は選手がファン・サポーターの皆さんの期待に応えてくれて、岡本や今僕の横にいる米村が、ほしい時間にゴールを決めてくれたので、安心してベンチから見ることができました。

──前回対戦で引き分け、リーグ戦でも3連勝中の水戸を相手に、特別意識していた点はありますか?

特にディフェンスの部分ですかね。水戸は技術の高い選手も多く、運動量もあるチームなので、2週間でしっかりと対策をしてきました。ただ、前半はそれを上回る相手のテクニックや、ワンプレーで決め切る力を出されてしまい、予想どおり難しい展開になりました。後半に関しては、自分たちのほうがボールを動かしながら体も張っていましたし、勝つべくして勝ったゲームかなと思います。

──2-2で試合を折り返し、後半は緊張感もあったと思いますが、勝敗を分けた部分はどこだと感じてますか。

もう1試合も落とせないという気持ちで試合に臨んでいますが、前半はそこがうまくピッチに現れませんでした。後半は内容どうこうよりも、とにかく勝ちたいという気持ちを体現できたのかなと。必ずシュートを決める、ゴールを守るというところで、相手と少しの差が出たかなと思います。

──得点を決めた選手以外でも、多くの選手が体を張って泥臭くプレーしている姿が印象的でした。そこは普段の練習の雰囲気から継続している部分でしょうか?

そうですね。練習でもいろんな選手が点を取ることや、球際の激しさは常日頃求めています。練習でやってることをしっかりピッチで示してくれました。

──先制点を決めた丸山裕輝選手は久しぶりの出場でした。彼を起用した意図と、評価を教えてください。

試合に出るためには、まず、いい練習をしていることが前提になります。この2週間の練習で彼はすごくいいトレーニングを積んでいたので、思い切ってピッチに送り込みました。期待どおり結果で応えてくれて、本人にとっても、いいゴールになったと思います。少しずつ出場時間を伸ばして、またチームの力になってくれたらうれしいです。

──同じく久しぶりの出場となった、鳥羽恭平選手も同様の理由でしょうか?

そうですね。彼も練習のなかで非常に頑張っていますし、戦術理解力度も高く、フットサルが上手な選手です。いろんな失敗を繰り返しながら自信をもってプレーできるようになれば、自ずと出場時間も増えると思います。

──第2ピリオドは、セカンドセットでのスタートを選択していました。噛み合わせの問題もあるかと思いますが、狙いを教えてください。

仰るとおり、噛み合わせを多少考えてのチョイスです。フィクソの三笠(貴史)を相手の辛島昌幸選手に当ててしっかり守備をして、逆に米村のセットでゴールを取りに行きたいと考えていました。実際狙いどおりの展開になったので、よかったと思います。

──前半に勝ち越されたあと、タイムアウトをとっていましたが、どのような修正や指示を出していたのか教えてください。

相手の攻撃パターンは、対角のロングボールとセカンドボールを拾ってのカウンターがメインだったので、まずそこに対しての修正を行いました。あとは、対角のボールをとおされているのは、裏を取られているということなので、そこは戦術どうこうよりもハードワークしないといけないと話しました。セカンドも拾えず、簡単にロングボールを蹴られているのは、相手がいいんじゃなくて、自分たちが良くないんだよという点を確認しました。

──次節は首位に立っている仙台と、アウェイで直接対決となります。前回敗戦した悔しい思いも含めて、意気込みをお願いします。

絶対に落とせない試合だと、私も選手も重々承知しています。相手があってのスポーツなので結果がどうなるかはまだわからないですが、今の自分たちの力を考えれば必ず勝てると思っています。勝ち点3を手にするために、いい準備をしてチャレンジを続けたいです。

常に全員が点を取る意識で

●ボアルース長野|米村尚也

──試合を振り返って。

まずは、ホームの試合で勝利することができてうれしいです。一方、正直ほっとしてる気持ちも大きいです。前節は葛飾と引き分けましたが、個々が相手に競り負けてしまい、敗戦に等しい試合をしてしまいました。組織で崩されるというよりも、相手の個に負けて失点するシーンが非常に多かったので、この1週間は、その点にフォーカスして練習に取り組んできました。2失点はしてしまいましたが、40分間攻守で強度の高いプレーを徹底できないと、次の仙台戦に勝つのは難しいと思っています。

第2ピリオドではチームとして逆転できましたし、自分のフリーキックに関しても三笠がいい位置でファウルをもらってくれて、自信もって蹴り込みました。自分の得点で、流れを引き寄せることができたと思います。そのあとの岡本のゴールも相手を突き放す大事なゴールでした。

パワープレーに関しては、今週の練習では特別な対策をしていたわけではないですが、昨シーズンに比べてパワープレーを受ける機会が多く、試合で経験を積むことで開幕当初よりもいい守備ができるようになってきています。攻守ともにチームは着実にレベルアップしてきていますし、全員が試合に出て、遜色ないプレーができると思います。

個々のアベレージを上げていくことが全体の底上げにもつながるので、また練習から頑張っていきたいです。

──1年でのF1復帰を目指すなか、次節のヴォスクオーレ仙台戦に弾みをつけるためにも重要な一戦でした。試合前に個人として考えていたことを教えてください。

第2クールは一戦も落とせないという状況で、初戦の葛飾とのアウェイゲームは自分のパフォーマンスがあまり良くなく、失点に絡んでしまうシーンもありました。年齢的にもチームで上の方になりますし、キャプテンという立場の自分がそういう立ち振る舞いやプレーをしてしまうと、全体の士気を下げてしまうことにもつながります。

今週は同じ過ちをしないように、攻守においてもっと突き詰めていくことを意識しました。実際、逆転ゴールを決めることもでき、守備も前節に比べていいパフォーマンスが発揮できたかなと思っています。

昨シーズンに比べて、いろんな選手が点を取れるのは大きなポイントです。

練習から、常に全員が点を取る意識をもってほしいと自分も伝えていますし、自分も求められている部分だと認識しています。全体のバランスを取りながら、体を張ってゴールを防ぐポジションですが、チームのなかでは一番プレー時間を与えてもらっているので、得点でも期待に応えないといけないなと。自分たちの良さをぶらさずに、また1カ月後の仙台戦に向けて取り組んでいきたいです。

──逆転するまでの間、サポーターはどう聞こえていましたか?

ファン・サポーターの一体感は、長野の魅力の一つだと感じています。今シーズンに関しては、子供たちのコールもよく聞こえてきますし、力になっています。ことぶきアリーナに関しては、席とピッチの距離も近いので、毎回気持ちが入ってスタンドを煽るような形になってしまいますが、今日も喜びを爆発させることができました。

──チーム内最多得点となりました。キャプテンかつスコアラーとして、今後どういう活躍をしていきたいかを教えてください。

自分の武器は1対1での駆け引きと両足のシュートですが、水戸も対策をしてきて、自分が得意な縦突破をかなり警戒されていました。自分がフィニッシュできないとチームのゴールも減ってしまうので、縦ではなく中にカットインしてシュートまで持ちこむシーンを増やしたり、自分に複数人マークがつけば、他の3人が動きやすくなったりもするので、視野を広げて判断していきたいです。

岡本も自分とゴール数は並んでいますし、上林(快人)と渡辺(大輔)も6ゴールを決めています。自分たちのセットで20点を超えるゴールを取れているのは、非常にポジティブなことだと思うので、継続していきたいです。

──個の強度やミスを減らすことに取り組んだとお話がありましたが、今日はセット間でお互いうまくカバーしあっているなという印象を受けました。この2週間で、セットとして取り組んだことや意識したことがあれば教えてください。

前節は全体的にディフェンスの強度が緩かったり、やりたい守備ができなかったり、噛み合わない瞬間が多々ありました。

具体的な回答になってしまいますが、セットのなかでは1対1の場面で距離をあけてカバーリングをするのではなく、人にタイトに寄せて相手に100パーセントのプレーをさせないという大前提を、もう一度確認しあいました。そこでボールが取れれば、攻撃に転じることもできるし、完全に抜かれてしまうこともありません。改善したことで、今日は相手がダブルタッチをしたり縦に運んだ時にボールが大きくなって、奪いやすくなったシーンもたくさんありました。

とにかく、ボールに対しての強度に関しては、チームでもセットでも意識をしました。前の3人がしっかりとプレスをかけてくれて、誘い出してくれるところまで的確にディフェンスをしてくれました。

──水戸には4人長野に在籍していた選手がいて、ゴールを決めた2人も元チームメートでした。やりにくかったこと、逆にやりやすかったことを教えてください。

ある程度一緒にやってきた選手なので、ここを対策した方がいいとか、ウィークポイントは自分たちもわかっていますし、それは相手も同じことだと思います。それでも、自分たちは「対策の対策」もしてきたので、個人的にはやりやすい部分が多かったかなと。

ただ、元チームメートとこうしてまた長野の地で戦えるのはすごくうれしいですし、結果的に勝ち切れてよかったです。

──次戦に向けての意気込みをお願いします。

前回の仙台とのホームゲームは、それこそ元長野の丸山将輝選手にゴールを決められて敗戦しました。今度は自分たちが仙台の地に乗り込んで、アウェイの難しい雰囲気で戦うことになります。

先ほども話したとおり、ホームでの声援が今の自分たちには必要不可欠ですし、逆にその後押しがない試合でどういうプレーができるかが重要だと思うので、万全の状態で仙台戦を迎えられるように準備します。

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