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藤田さいきの兄が目指すゴルフ場づくり 「女性ゴルファーに愛され、栃木県出身のプロゴルファーをもっと輩出したい」  | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

藤田さいき(右)と総支配人に就任した兄の勇樹(撮影・村上悦子)(撮影:ALBA)

国内女子ツアーで3季ぶりにシード選手に返り咲いた藤田さいき。約1カ月後に迫ったツアー開幕に向けて合宿を行っているが、「兄がゴルフ場の総支配人になったんです」と明かした。

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■栃木県出身のツアー優勝者は少ない

藤田さいきの兄、頼藤勇樹(旧姓 藤田勇樹)は1983年生まれでさいきの3学年上。地元ではジュニア時代から“飛ばし屋の藤田勇樹”として有名な選手だった。2014年に日本プロゴルフ協会(JPGA)のプロテストに合格し、現在は女子プロやプロゴルファーを目指すジュニアゴルファー、アマチュアゴルファーのレッスン活動を行っている。地元・栃木県鹿沼市にあるゴルフスタジオ「ブーン」の代表を務め、昨年7月に栃木県にある鶴カントリー倶楽部の総支配人に就任した。

鶴カントリー倶楽部は、総武CC総武Cなどを設計している名匠・富澤誠造の手により1977年に開場。クラシカルで雄大なコースで27ホール(パー108)を有する。攻略するには14本すべてのクラブを使う必要があるといわれる栃木県でも屈指のチャンピオンコース。昨年、久しぶりに訪れた藤田さいきも「戦略的でゴルフが上達するコースだと思います」というほど、やり甲斐がある。

歴史あるチャンピオンコースの総支配人に就任した頼藤は、同CCに変化を求めている。コンセプトの1つが「栃木県出身のプロゴルファーを輩出したい」。栃木県出身のプロゴルファーといえば植田浩史、佐藤剛平、崎山武志、斉藤裕子といったベテランプロの名前が浮かぶが、その後はあまり続かない。

「現役のツアープロでいえば優勝しているのは藤田さいきぐらい。それも10年前が最後です。女子の臼井麗香さん、男子の小林伸太郎さん、阿部裕樹さんは昨年レギュラーシード権を獲得しましたが、栃木出身のプロゴルファーをもっともっと増やしたいです」。(頼藤)

栃木県内には150ほどのゴルフ場があり、日本でも3番目に多いゴルフ場銀座。にもかかわらずプロゴルファーが少ないのが現状だ。

ここ数年、男女ともに九州出身のプロがツアーで活躍しているが、「九州地区はジュニア時代から練習環境がとてもいいのです。それに比べると栃木県は費用面も含めて練習環境が良いとはいえません。良い環境を整えてあげたいんです」(頼藤)。

栃木県で育った藤田さいきは、「私たちがジュニアの頃は2万円ぐらい払ってゴルフ場で練習していました。当時九州の子に聞くと1000円とか格安でラウンドできると聞いて驚きました。ゴルフ場行く回数が違いますよね」と証言する。

もともと3面あった練習グリーンの一面を芝から打てるアプローチ練習場に作り変えた。また、チャンピオンコースで腕を磨いてもらうべく研修生や練習生を積極的に受け入れ、ジュニアゴルファーの来場も歓迎している。

■女性でもバーディが取れる距離設定を

もう1つのコンセプトは「女性に優しいゴルフ場」だ。毎週月曜日はスイーツデーと称して、プレーヤーを対象に実施しているスイーツバイキングは女性を中心に好評だが、イベントだけでなくコースやアメニティ、施設、食事なども女性に喜んでもらえるゴルフ場づくりに取り組む。

“女性に優しい”の一つが距離設定。「チャンピオンコースで難しい印象はありますが、女性でもバーディが取れる適切な距離設定にすることも考えています。パー4のホールで、2打で届かないと面白くないですよね」(頼藤)

最近のゴルフ場はレディスティの距離を短くするゴルフ場も増えてきているが、女性には距離がたっぷりあるゴルフ場がほとんど。鶴CCのレディスティは現状5200ヤードほどの設定だが、アイアンでパーオンしてバーディを狙えるようにするため、5000ヤード未満の設定を考えている。

「個人的に思うのですが、どの業界でも女性をターゲットにしたほうがいいモノができると思います。ゴルフ場も女性に喜ばれることが大切だと思います」(頼藤)。これには現役シード選手の藤田さいきも賛同しており、ときおり“女性目線”の話をするという。

「女性に愛されるゴルフ場作り」「栃木県からプロゴルファー輩出」をコンセプトに掲げた頼藤総支配人の手腕に注目したい。

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