原英莉花、貪欲吸収。『EXO SEVEN MINI』の“サブ”投入裏話

グリーンが重い時用の“サブパター”に、『EXO SEVEN MINI』を作成!(撮影:福田文平)

先週の「ニチレイレディス」で、原英莉花がオデッセイ『EXO SEVEN MINI』に『スーパーストローク』の太めのグリップを採用。師匠譲りの『EXOロッシー』で初優勝を遂げたばかりだが、なぜ変更したのか? 原はこう語っていた。

「初日に使っていたものとヘッドは同じタイプですが、グリップが違うんです。ちょっと太めなので、右手のグリップが被らず、左手の親指を乗せている面に右手の親指も乗せて構えられます。木曜日に練習グリーンでたまたま青木瀬令奈さんのコーチ(大西翔太氏)から、瀬令奈さんが使っているパターを打ってみたらと渡されたんです。打ってみたら方向性もタッチも合うんですよ。すぐに同じグリップを入れたものを作ってもらいました」(原英莉花)

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そこで、大西コーチを直撃。すると、「いや、原英莉花プロの聞く耳がすごくあるだけで、褒めるならボクではなく、原プロの貪欲な姿勢の部分でしょう」と笑う。食い下がって、どんな話をしたのか? 聞くと、下記のように明かしてくれた。

「原英莉花プロ、小谷健太キャディがパターグリーンで練習していて、梅雨入りしての連日の雨もあって重いグリーンとフィーリングがマッチしていないように見えたんです。そんな時にはエースパターを少し休めてあげて、サブパターを使う手もあるよと話したんです。ボクはエースの良さを引き出すためのサブパターが大事だと考えていますので。

例えば、慣れなどから感覚がなくなり、フェースがどこを向いているか?と分からなくなることがアマチュアの方々もよくあると思います。パターは決めた所へ打つパフォーマンスが必要で、そのために一番大切なのはストロークや構えなどではなく、自分の中の部分、つまり感性が大事になります。パターは感性で勝負しなければなりません。

でも、そのイメージの悪さなどから感性の育成、いわゆる【感育】を止めてしまうことが、ままあります。パターを極めるプレーヤーは、間違いなく常に感性を研ぎ澄ます力を持っていて、常に感性を成長させています。その話からEXOの慣性モーメントの強いパターを理解した上で、細いor太いグリップ、グリップ重量も含めた話をしたんです。

慣性モーメントが強めのヘッドに対しての、細いグリップのメリットと、太いグリップのメリット。もちろん、デメリットも含めて自分のフィーリングと照らし合わせて行くことで、【感性が育成されていく】。そうすることでエースパターともサブパターとも良い関係を築いていけると思います。これは、原プロに限った話ではなく、多くの人にも当てはまるのかなと」(大西翔太)

というわけで、あくまでもエースパターは師匠譲りの『EXOロッシー』。これを活かすためにも、“サブパター”にグリップ太めの『EXO SEVEN MINI』を作ったということだった。原が急成長を続ける理由には、こういった“聞く耳”も背景にあるようだ。

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