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浦和レッズ 宇賀神友弥 TOMOYA UGAJIN Vol.3「サッカー選手だから、と言われたくない」

Jリーグの名門クラブ、浦和レッズで10年以上も活躍し続けているプロサッカー選手・宇賀神友弥。
日本有数のサイドプレーヤーには、もう一つの顔がある。それが地元・埼玉県戸田市で運営するフットサルコートとサッカースクールだ。
現役選手の間に立ち上げた理由、子どもたちに伝えたいメッセージ、サッカー選手としてのこだわり……。
「SmartSportsNews」の独占インタビューを3回に分けてお届けする。

ここは嫌だなを全部改善しよう

――フットサルコート「UGAJIN ESFORCO PLACE」のこだわりを教えてください。

コートを作る前に他の施設とかも視察に行って、いくつか感じたことがありました。例えば、スクールを見学している時に屋外のコートだと外にいなければならないので、夏は暑いですし、冬は寒い。じゃあ、クラブハウスから子どもたちを見られるようにしようということで、ゆったりしたソファを5台並べて、大きな窓ガラスにして。お客さんの目線に立って「これは嫌だ」ということがあれば、全部改善しようというのがコンセプトです。

――お客さんとして感じたことが出発点になっている。

はい。フットサルコートってお金をかけてないのがわかるところが多いじゃないですか。倉庫をそのままコートにしているところとかは、とりあえず人工芝のコートがあればよいみたいな。僕はそういうのがすごく気になってしまうんです。「どうしてきれいにしないの?」って。

――収益性だけを重視するなら、できるだけコストをかけないほうが良いという考え方もあります。

そういう風にはしたくなかったんです。あそこに行きたいなとワクワクする場所にしたかったし、見学に来た人も快適に過ごせるようにしたかった。正直に言えば、お金は予想以上にかかりましたけど(笑)、みなさんが楽しんでくれているのを見ていると間違ってなかったと思います。

――フットサルスクールのエンブレムには黄色、黒、赤が使われています。この3色にした理由はなんだったんですか?

最初は赤をメインカラーにすることを考えていたんです。でも、レッズ色が強くなりすぎるかなと(笑)。他に強そうな色ってなんだろうということで、黄色と黒にして。ただ、赤は僕にとっても大事な色ですし、情熱の象徴としてクラブハウスの柱など目立つところは赤にしています。

――エンブレムにはどんなこだわりがあるんでしょうか。

シーズン前のキャンプに行く前に自分で考えたんですけど、「宇賀神」というのは体が蛇で、顔が人間の穀物の神様なんです。宇賀神という名字の人は食べ物に困らないと言われているらしくて。「エスフォルソ(Esforco)」はポルトガル語で「努力」という意味なんですが、努力して階段を上がるというのをこめています。あと、細かいんですけど、僕がアイデアを作ってかっこよくデザインしてもいました。

名前貸しは絶対にしたくなかった

――サッカー選手の名前を冠したコートやスクールでは、名前だけを貸しているケースも多いと思うのですが。

それはすごく嫌だったんです。せっかくやるんだったら、しっかりとコミットしたい。現役選手である、浦和レッズの選手であるというアドバンテージがあるのは確かですけども、そこに甘んじてはいけないなと思っています。

――フットサルコートにはスポンサーのバナーも貼ってありますが。

スポンサーに関しては、すべて自分でプレゼンしに行ったんです。社会人経験がないので、もちろん初めてでしたが、お金を出していただくことは本当に大変なんだなと。それがわかったのはサッカー選手としてもよかったと思っています。

――「宇賀神友弥」「浦和レッズ」「Jリーガー」というネームバリューは強みになる?

僕が言ったのは「浦和レッズの現役Jリーガーである宇賀神友弥にお金を出すというのであれば出さないでください」と言ったんです。

――え?

そうではなくて、僕がフットサルコートをやる、サッカースクールをやることにメリットを感じるならお金を出してください、と。僕は「サッカー選手だから」と言われるのが、すごく嫌なんです。例えば、プレゼン資料を見せたら「これを自分で作ったの? すごいね」と言われるんですけど、それってサッカー選手に大したことができないだろうと思われているということ。ちゃんと社会人として、ビジネスマンとして評価されたい。だから名前を貸すんじゃなくて、全部自分でやりたい。それが勉強になるし、自分の成長につながると思っています。

――サッカーに比べたら思い通りにできないと思うのですが……。

はい。だからこそ楽しいんです。ボールを蹴り始めたころって、うまく蹴れなくて、たくさん練習したら、だんだんできるようになっていった。僕はビジネスマンとしてはまだまだ初心者かもしれませんが、新しい世界でもちょっとずつ階段を上っていきたいです。1個1個、そうやってきたのが宇賀神友弥のスタイルなので。

――次の夢はどこでしょうか?

もう一つ、戸田市にコートを作りたいと思っています。できれば、戸田市の中でもスポーツがあまり盛んじゃない場所がよいかなと。子どもたちにもそうだし、一緒に働く人にも「夢を持ち続けよう」というのは話しています。

Vol.1「地元の戸田に恩返しがしたかった」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/60192bac36087504073d97e2

Vol.2「現役選手のうちに立ち上げたかった」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/60192bb93823c903ad5e3702

■プロフィール

宇賀神友弥(うがじん・ともや)
1988年3月23日生まれ、埼玉県戸田市出身。流通経済大学から2010年に中学・高校時代を過ごした浦和レッズに加入。スピードと運動量を活かしてサイドプレーヤーとして主力選手として活躍し続けている。2017年には日本代表デビューにも選出された。2018年に地元の戸田市にフットサルコートおよびサッカースクール「UGAJIN ESFORCO PLACE」をオープン。

UGAJIN ESFORCO PLACE
https://esforco-fs.com

■クレジット

取材・構成:北健一郎

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