THINK SPORTS『PKはメンタル』

 

サッカー日本代表がカタールワールドカップのベスト16に進出し、決勝トーナメントの1回戦でクロアチアにPK戦の末に敗れた。

 

サッカーでは、トーナメント戦で勝敗がつかずに終わった場合、PK戦によって勝者を決めることになっている。大昔はただの抽選で勝ち上がりを決めていたり、延長に入ってから先にゴールを奪ったほうが勝者になるゴールデンゴール方式や、センターサークル付近からドリブルでGKとの1対1勝負をするシュートアウト方式なども行われ、紆余曲折を経て現在のPK戦方式に落ち着いている。

 

日本代表は、4人中3人が相手GKに防がれて敗退となった。その後、大会までに1000本PK練習をしてきたとニュースになったスペインも3人が決められず、ベスト16で敗退となっている。

 

「PKは運だから(負けても仕方がない)」というなぐさめの言葉がよく聞かれるところだが、PK戦はルールで決まっているだけに、そこでも勝つためには運任せにしないよう、各チームそれなりの練習を積んできているのも事実なのだ。

 

ここ最近の変化はGKではないだろうか。じつはトップクラスのGKは年々大型化が顕著になっていて、身長190cmオーバーが当たり前の世界だ。ただ大きいだけでなく、身体能力も高いので、ゴール中央で構えた状態から倒れるように手を伸ばすだけで、ゴール端まで届いているように見える。

 

そこまで大型ではないGKの場合、足を一歩踏み込んでから飛ばないとゴール端まで手が届かないので、ゴールポスト際に手を出すスピードに少し差が出ているようだ。

 

そうしたGKの進化に、キッカーはそれまで以上のプレッシャーを感じているのではないだろうか。延長まで120分戦って、体も頭も疲労困憊。そうしたなかで、進化したGKたちが大きく構えているのを目にしたら、相当な重圧がかかってキックの精度、強度も低くなりそうだ。

 

日常からPKキッカーとして蹴っている選手ならまだしも、PK戦になると普段実戦では蹴っていない選手も出てくる

 

それだけにPK、とくにPK戦はメンタルが大事ということになりそうである。

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