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遅刻しそうで急いだときは、慌てていた流れのままMAX速いリズムで振る【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

イラスト・のり

自律神経を乱す最大要因は「時間」だと常々私は感じています。ゴルフは時間にシビアですから、自律神経を崩しにくいルーティンを自分なりにつくることが大切です。

よくプロゴルファーの方にもアドバイスするのは、ゴルフ場入りの時間を早くすること。大事な試合なら、なおさらです。朝はたった5分で交通状況ががらりと変わりますし、その5分でできることもあるからです。
 
■到着は1時間前で気持ちに余裕を
 
私もそうですが、アマチュアの方々はスタート1時間前にチェックインするのが、ちょうどよいのではないでしょうか。そのためには、出発時間、起床時間、さらには前夜の就寝時間、夕食時間までさかのぼって余裕のあるタイムスケジュールを心がけます。スムーズにいけばスタートの1時間半以上前に着くこともありますが、途中で少し渋滞したりサービスエリアで休憩したりしても遅刻することは、まずないでしょう。
 
早く着いたらレストランでお茶を飲んだり軽くストレッチをしたりして過ごすのもオススメです。時間に余裕があることによって気持ちが落ち着き、自律神経も安定するからです。そうはいっても、朝どうしても遅刻しがちな方、性格的に気が急いてしまう方もいます。そういう場合、どうしたらいいのでしょうか。
 
■遅刻寸前のときは慌てていた流れそのままに速く振る
 
どんなに急いでもスタート前にばたばた走ってはいけません。急いで行動すると心拍数が上がってスイングリズムが速くなってしまうからです。ただでさえ朝は交感神経が徐々に活発になり、それまで優位だった副交感神経と入れ替わる時間帯なのですが、交感神経が急激に高まってしまうと血管が収縮して体がガチガチになって、しなやかなスイングはできません。
 
しかし、時間ギリギリに焦ってティイングエリアへ来た人に「ゆっくりスイングしましょう」というの
も無理な話。鼓動が速くなっているのにスイングリズムを遅くすることはできません。落ち着かせようと思ってもなかなか収まらず、あえてゆっくりしようとしたら、それこそリズムも呼吸も乱れてしまいます。
 
そのような場合は、慌てて来た流れにスイングを合わせます。いっそ、これ以上ないくらい速いスイングでボールを打ってしまいましょう。無意識にスイングが速くなるのは問題ですが、意識して速く振るスイングは、ちゃんとリズムが取れていてブレが少ないものです。2〜3ホールプレーして、落ち着いたと思ったらスイングリズムだけ元に戻せばいいでしょう。
 
クルマの渋滞やトラブルに巻き込まれて遅刻したときは少し速い素振りをして、そのリズムで打ってしまうことで自律神経をコントロールできます。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
 
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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