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ショットインイーグル締めで急浮上 小林夢果を後押しした“ジャンボの激励”

「67」で急浮上した小林夢果。ジャンボに吉報を届けたい(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 3日目◇30日◇葛城ゴルフ倶楽部宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

16番、17番を連続バーディとして迎えた最終18番パー4。フェアウェイ左サイドから残り130ヤードでフォローの風。「すじった」とピン方向に向かっていった小林夢果の2打目は、そのままカップに吸い込まれた。

「近いかなと思ったけど、(グリーンに上がったら)ボールが3個しかなくて入っていました。今年初めてだったのでうれしい」。上がり3ホールで4つ伸ばし「67」の急浮上。トータル1オーバー・37位タイの「伸ばさないといけない位置」という来季前半戦出場権を獲得できる“ボーダーライン”から、トータル4アンダー・9位タイまで順位を上げた。

2003年生まれの20歳は、川崎春花、櫻井心那らと同じ“ダイヤモンド世代”のひとり。昨年はQTランク74位に終わり、今季は下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場だった。コツコツと成績を残し、ステップ最終戦「京都レディース」で初優勝。勝利の瞬間は膝から崩れ落ち、顔を覆って、大粒の涙を流したのが印象的なシーンだった。

ジャンボ尾崎の弟子になったのは、中学校を卒業した2018年のこと。「1.5期生」として、ジャンボの元で腕を磨いている。京都レディースオープンで優勝後、師匠に優勝報告をすると『エリエールで優勝したの?』と同週開催のレギュラーツアーと勘違いされたことを笑って話した。

「『ステップか…』と言われました。でも調子が上がってきてるから、この調子で頑張れと言ってくださって、そのひと言が今週プラスになっています」。師匠からの言葉に背中を押され、勢いよく葛城に乗り込むことができた。

これまでジャンボから球筋をフェードに変えることを勧められていたというが、小林としては乗り気ではなかった。だが、昨年秋ごろから2打目以降の球筋をフェードにスイッチ。「マネジメントが変わりました。フェードのほうがミスをする確率が少ないから変えてよかった。でもドライバーは絶対ドロー(笑)」。飛距離低下を回避するためにドライバーはドローのまま。“二刀流”で攻めるのも、すっかり慣れてきた。

レギュラーツアー出場に向けて、残り18ホール。「あと一日~。はあ…」と少し笑いながら息を吐いたが、やり切るしかない。「苦しいですけど、最後の一日。風もきょうより穏やかで、伸ばしあいになると思う。最低2つは伸ばしたい」。ジャンボにいい報告をしたい。(文・笠井あかり)

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