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28歳初戦で「奇跡」のバンカーショットも 初優勝目指す安田彩乃が上位で週末へ

安田彩乃が初優勝へ向け上位で決勝ラウンドに進んだ(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 2日目◇9日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6513ヤード・パー72>

今月6日に28歳になったばかりの安田彩乃が、悲願の初優勝に向け状態を上げている。5アンダー・4位タイで初日を終えると、2日目も4バーディでボギーフリーの「68」という内容。首位と5打差の3位タイにつけており、上位で週末のラウンドに向かう。

4つのバーディは“お先に”のベタピンから遠くても3メートル以内と、ショットがピンにしっかりと絡む一日だった。そして最終18番では、本人もビックリするようなプレーが生まれる。

ここでの2打目は、ひっかかりバンカーに飛び込む。さらに運が悪いことにボールはヘリのキワに落ち、左足下がりでかつしっかりとアドレスが取れないようなライだった。ピンまで残りは13ヤードほどだが、3打目は脱出に失敗。「ボギーで上がろう」と覚悟を決めたが、続く4打目のバンカーショットがそのままカップに吸い込まれる。「そんな奇跡はないので、自分でも驚きました」。目を丸くしながらクラブハウスに戻った。

プロテストに合格した2016年からツアーに本格参戦しているが、18年の賞金ランク53位(2125万5285円)がキャリアハイで、ここまで優勝はおろかシード入りもない。しかし今季は、先週の「リシャール・ミル ヨネックスレディス」で8位になるなど、しっかりとスコアをまとめられる試合も増えた。「取り組んでいることを引き続きやっているだけ。オフに練習したことがスコアにつながってくれた」という手ごたえも感じ取っている。

その取り組みのメインになるものとしてアイアンショットを挙げる。特にパーオン率のアップをテーマにクラブを振ってきた。昨年は60.8796%で88位相当、20-21年シーズンは60.3865%で91位など、60%台前半で推移しているこの数値は長年の課題。今季もここまでは63.9269%で49位だが、「一日悪くても11~12回」のパーオン成功を自らに課してプレーしている。初日、2日目ともに13回とここまでノルマもクリアしてきた。しっかりと体を使ってテイクバックすることを意識するなど、やってきたことが実りの時期を迎えたようだ。

今季の目標は「もちろん優勝」。シーズン優勝者など選ばれし者しか出場できない最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(11月23~26日、宮崎県・宮崎CC)には「どうしても出たい」と強い思いも持っている。キレが備わったアイアンで、その道を切り開いていきたい。

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