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畑岡奈紗は“米国っぽい”全英コースで悲願へ 「近いところまで来ている感覚がある」

悲願のメジャー初制覇へ。畑岡奈紗が今季最後の大舞台に挑む(撮影:福田文平)

<AIG女子オープン 事前情報◇8日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>

メジャー30度目の出場となる畑岡奈紗は、事前情報のなかったロンドン郊外にあるコースの印象について、「距離がすごく残る。グリーンが大きいので、なるべく寄せたいとは思うけど、ロングパットを打つ機会が多くなりそう」と話す。プロアマに出場した火曜日は、時折、強い雨が降った影響もありコース全体がやわらかい仕上がりに。ランが出ない状況となり、本番のプレーにも影響を及ぼすかもしれない。

ただそれは、グリーンでボールを止めやすいコンディションともいえる。これに加え、あまりロングパットを残したくないとなれば、必然的にピンをデッドに攻める回数も増えることになる。ゆるやかなアップダウンこそあるが見通しのいいフラットな形状。パッと見ではリンクスのような趣もある。しかしところどころに林もあり、“これぞ全英”という雰囲気ではない。畑岡は「アメリカのコースに近い」と言うくらいだ。風が吹き抜けるところなど英国様式という部分も感じさせるが、初めて回ったにも関わらずどこか馴染みがある、といった様子。

24位で終えた先週のスコットランドの試合では、メジャーへの課題としてショット面をあげていた。前傾姿勢をキープし、インパクトでしっかりとボールに力を伝える。これが今、日本のエースが求めていること。会場入りした月曜日も、インコースを回った練習ラウンドなどでここをチェック。「ちょっと改善したかなと思える部分はある。ただコース上で毎ショットできているわけではないので、もう少しですね」というまでの感触は得ている。

先週のラウンド後には「優勝できるように」という言葉を口にするなど、メジャー制覇は大きな“悲願”。とはいえ会場では「普通にできている。3年、4年目まではメジャーだと、少し意識することもあった。でも去年、今年はそこまでです」と、あくまでも『試合のひとつ』と肩の力を抜いて臨めている。その結果が、今年は「全米女子オープン」4位、「エビアン選手権」3位という結果にもあらわれた。

だからといって、無理に闘争心まで抑え込んでいるわけではない。「本当に近いところまで(メジャー優勝が)来ている感覚がある。優勝を目指したいと思っています」。日曜日に現地入りすると、トレーニングもしっかり行うなど普段のルーティンが崩れることもない。まさに、あとは天命を待っている、という風格もある。

「飛距離を稼げる選手のほうが有利になる。ところどころタイトな場所もあるけど、フェアウェイも広いので、なるべくティショットで距離を稼いでチャンスにどれだけ多くつけられるか」。これまでのメジャー最高位は、ともにプレーオフで敗れた2018年「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」と、21年の「全米女子オープン」の2位。何度も味わってきた“あと一歩”を、今季最後の大舞台で乗り越えたい。(文・間宮輝憲)

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