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【海外サッカー】今、フランスリーグが熱い理由 「新銀河系軍団」に対峙する4人の日本人を解説

(Photo by TFILM)

今夏賑わいを見せたのがフランス・リーグ・アン王者のパリ・サンジェルマン(PSG)の来日だ。リオネル・メッシ、キリアン・エムバペ、ネイマールという世界的名手たちを擁した“新銀河系軍団”の一挙手一投足に日本中が盛り上がりを見せた。また、今季からは南野拓実がモナコに、伊東純也がスタッド・ランスにそれぞれ移籍するなど、目下、注目を集めるフランスリーグ・アンについて、これまでの日本人選手の活躍も振り返りながら特徴を挙げていきたい。(文・井本佳孝)

世界的スターの登竜門

リーグ・アンはプレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガと並び、欧州5大リーグの一つに数えられる。フランスの歴史的な背景もあり、アフリカからの移民が多くプレーしており、リーグ・アン最大のスターのひとりであるPSGのエムバペは父親がカメルーン出身のアフリカ系移民2世である。身体能力に優れた黒人選手が多くプレーし、スピードやフィジカルを活かした個人技を持ち味とする選手が多いのが特徴である。

リーグ・アンはスターへの登竜門と言われている。アフリカや南米から来た将来有望な若手選手が経験を積み、サッカー選手としての商品価値を高め、プレミアリーグやラ・リーガのメガクラブに引き抜かれるという流れが多く見られる。5大リーグの中でフランスを除く4大リーグという表記もあるように、選手が4大リーグというさらに大きな環境へステップアップを果たすための役割を果たしている。

今夏の移籍市場では南野が移籍したモナコに所属していたフランス代表MFオーレリアン・チュアメニが8000万ユーロ(約112億円)もの移籍金でレアル・マドリードに引き抜かれた。チュアメニはカメルーン系フランス人でアフリカをルーツに持つ選手であり、リーグ・アンで評価を高めてフランスを代表する選手に成長した。ビッグクラブ側もリーグ・アンの市場には注目を寄せており、毎年のように若手の有望株がよりレベルの高いメガクラブにステップアップを果たしていく。

フランスの地で足跡を残した松井と酒井

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(Photo by filipfoto)

そんなリーグ・アンではこれまで13人の日本人選手がプレーしている。2010年代にかけて日本人選手バブルが起こったドイツのブンデスリーガや、近年日本人選手の欧州移籍の入り口として定着してきたベルギーのジュピラー・プロリーグなどと比べるとその人数は少ない。フィジカルやスピードが武器の選手が多く在籍しているリーグであること、また奥寺康彦のようなパイオニアが存在し移籍の土壌があったドイツや、「DMM」グループが参画し日本人選手を多く獲得しているシント=トロイデンのような、日本人に馴染みのある環境でがなかったことも影響しているだろう。

そんな中でもリーグ・アンで足跡を残した日本人選手が元日本代表MF松井大輔である。2004年に京都パープルサンガから当時2部のル・マンに移籍した松井は、華麗な技術を活かしたドリブルとトリッキーなプレーを武器に中心選手としてチームの1部昇格に貢献。2005-06シーズンにはリーグの月間MVP受賞やアシストランキング3位に入るなどインパクトを残し、“ル・マンの太陽”として評価を高めた。その後、サンテティエンヌやグルノーブル、ディジョンの3チームでもプレーした松井は日本人のリーグ・アンにおける最初の成功者といえる。

そして、2016年夏にドイツのハノーファーからマルセイユに加入し、5年間プレーしたのが日本代表DF酒井宏樹である。酒井は右サイドバックのポジションをつかみレギュラーに定着。PSG戦ではネイマールらと対峙し存在感を示すなど、フランスの名門で評価を高めた。2017-18年シーズンにはチームの14年ぶりとなるヨーロッパ・リーグベスト4進出に貢献し、2018-19年シーズンにはサポーターが選ぶクラブMVPに輝いた。2021年夏に浦和レッズに移籍し国内復帰を果たした酒井だが、フランスの地で見せた堅実な仕事ぶりは松井と同様に評価されるべきものである。


(次ページ「主力として期待がかかる南野と伊東」へ続く)

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