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【ゴルフ沼#25】ゴルフの謎の教え「球は曲げろ」とは?“逆セオリー”の難しさ

ゴルフの練習をして、ゴルフについて学べば学ぶほど、ゴルフって直感の「逆」だな、と思うことが多いです。ゴルフをやる前に漠然と考えている「こうすればいいんじゃないかな」というのはだいたい間違っていて、それの逆をやると正解。うんざりするほどこのパターンばかりです。

たとえば、以前にも書きましたが、クラブをボールに当てようとすると当たらない。ただ振るだけ、ヘッドは通過するだけ、という意識の方がむしろ正確に当たるようになるのです。

そんなゴルフの「逆セオリー」の代表格として挙げられるのが「球は曲げろ」という教えです。これがまた本当に奥が深い話で、初心者の私にはまだ消化しきれていない部分もありますが、わかる範囲で書いていきます。

ゴルフ沼,初心者,ラリー遠田
写真:west

普通、ゴルフ初心者は狙ったところにまっすぐ打とうとします。まっすぐ球が飛んだら成功。左や右に曲がったら失敗。それ自体は悪いことではないんですが、まっすぐ打たないといけない、という意識はスコアアップの妨げになることもあるらしいのです。

というのも、完全なまっすぐのボールを打つのはプロでも難しいからです。むしろ、プロや上級者は意図的に球を曲げることが多い。なぜなら、その方が狙ったところに球を運びやすく、リスクが低いからです。

たとえば、ボールの予想着地点のOBにならないエリアの横幅が30ヤードだとする。ストレートボールを打つ場合、その真ん中を狙って、左か右に15ヤード曲がるとOBになってしまいます。

一方、左に曲がる球を打つとしたら、安全なエリアの右端を狙えば、許容範囲が30ヤードもあることになる。左に曲がる球を打てば、まっすぐ打つよりもOBになる可能性が下がるのです。

だからこそ、ボールを意図的に曲げられるようになった方がいい。まっすぐを狙って左か右のどちらに曲がるかわからないボールを打つよりも、どちらかにだけ曲がる球を意識的に打てるようにしよう。セオリーとしてはそんなことが言われています。

でもなあ……。こういう話を聞かされるたびに、そうは言ってもねえ、という気分になります。結局ある程度はまともに打てないと曲げるも何もないでしょう、こっちはただ普通に打つということもできてないのに、曲げようとするなんて百年早いんじゃないの。ずっとそんなふうに思っていて、曲げるというところには意識が回っていませんでした。

でも、あるとき、練習場で意を決して曲げる練習をしてみることにしたのです。それは貴重な体験でした。

ゴルフの打球の曲がり具合は、フェースの向きとクラブヘッドの軌道によって決まります。最新の研究によると、フェースの向きで打ち出し方向が決まり、ヘッド軌道でその後のボールの曲がり具合が決まります。要するに、この2つを意図的に調節すればいいのです。

まずはフェースの向きを変えてみました。フェースの向きはまっすぐにするべきだと習っているので、向きを変えることにはものすごく不安があります。でも、これは実験だと割り切って、思い切ってフェースを左向きにして振ってみると、ボールは左前方に飛んでいきました。

「あれ?」


(次のページへ続く)

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