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ツアープロとして異国で走り切った1年 悩んだ結果…今月の欧州QTは回避します【ゆり’s ROAD】

地元福岡でお友達をおもてなし! やっぱりもつ鍋最高です(本人提供)

独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・西諭里(おにし・ゆり)がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、今年8度目となったプロテストでも合格をつかみ取れず、現在欧州ツアーをメインに世界各国を股にかけての転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。長かったシーズンも11月18日までスペインで行われていた「マヨルカ女子オープン」で終了。現在はオフを過ごすため地元の福岡県に戻り、そこでツアープロとして過ごした1年間を振り返った。


みなさん、こんちにちは! 長かったようで短かった…う~ん、でも、やっぱり長かったのかな?というシーズンが終わりました。思い返すと、『あと何週間で日本に戻れる』、『あと何日で…』と、指折り数えていた日々を過ごしていたような気がします。

ちょうど1年前に欧州ツアーのQTを17位で突破してから、なんとかフル参戦することができました。リシャッフルも突破しながら、最後まで出続けられたことは、自分のなかではしっかりと評価したい部分です。ただ残念ながらシード入りはできませんでした(ポイントランキング70位まで。識西は82位)。途中までは『入れるかな』という意識もありましたが、秋に入ってから調子を落とすと、終盤はその悪い流れに抗うことができなかった、という印象です。

とにかくこの1年は初めて行く国ばかりで、周囲の人は『いい経験をしているね』と言ってくれます。でも、私は必死(笑)。ホテルやレンタカーの予約を忘れていて、バタバタと準備を進めたこともありましたし、キャディさんの手配も自分でやるのですが…色々ありました(笑)。とにかく物価が高すぎて、正直、経費もやばかった~。とはいえ、もちろんたくさんの“経験”を積むことはできました。

一番印象に残っているのはロンドン(7月のアラムコチームシリーズ)での試合。優勝したネリー・コルダら、米国女子ツアーのメンバーも何人か出ているなか、最終日最終組のひとつ前でプレーすることができました(結果は6位)。地元のチャーリー・ハルと回って、大きな歓声を浴びたこともつい最近のことのように思えます。

そして、いろいろな国を回る欧州ツアーで一番強く感じたことは、“日本っていい国だな”ということでした。もちろん、それぞれの土地にいいところはたくさんあります。ただ、海外で過ごすなかで日本の素晴らしさを強く感じることは多かったです。もともと私は海外志向が強かったので、それが強い印象として残ったことは自分でも意外なことでした。普段暮らしているだけでは分からない、“日本最高じゃん”という気持ちを感じられたことは、大きな学びでもあります。

たくさん悩む日々でもありました。『プロである以上、結果がすべて』と思い詰めたこともありましたが、そんな時に目に入ってくるのが、ツアーでトップにいる選手たちがすごく楽しそうにゴルフをやる姿。『みんな切り替え上手だな~』なんて思ったり、またひとりで海外を回る難しさも感じました。そういうことも、今後に生きてくるといいな。

そしていろいろ悩んだのですが…、今月行われる欧州ツアーのファイナルQT(最終予選会)は受けないことを決断しました。今はゴルフの状態、そして心を整える時間が必要と考えた結果です。

今はというと…一度リセットのため、少しだけダラ~っとさせてもらっています(笑)。欧州ツアーでプレーする友達が、福岡を訪れてくれたのでもつ鍋でおもてなしをしたり、兄に連れられて初めて二郎系ラーメンも食べました(笑)。まずはリフレッシュをして、ここから次への準備を進めていきます。本当にみなさん、この1年間、応援ありがとうございました! 

■識西諭里(おにし・ゆり)
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。

※編集部の手違いにより、タイトルと異なる原稿が掲載されました。15時20分頃に修正を行いましたが、ユーザーの皆様にご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。

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