• HOME
  • 記事
  • テニス
  • ボールボーイへの“ラケット投げつけ”に警告だけ?地元優遇ともとれる大甘処分に対戦相手が不満「危険行為は失格にすべき 」<SMASH>

ボールボーイへの“ラケット投げつけ”に警告だけ?地元優遇ともとれる大甘処分に対戦相手が不満「危険行為は失格にすべき 」<SMASH>

ボールボーイにラケットを投げつけたものの、失格を免れた米国のブルックスビー。(C)Getty Images
現在開催中の男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月23日~4月3日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)のシングルス1回戦で、アメリカのジェイソン・ブルックスビー(世界ランク39位)が、ボールボーイにラケットを投げつけるという危険行為に及び、物議を醸している。

今大会にノーシードで出場しているブルックスビーは、現地3月24日に行なわれた1回戦で世界60位のフェデリコ・コリア(アルゼンチン)と対戦。第1セットを3−6で奪われるも、第2セットはようやく流れをつかんで6−2で取り返し、ファイナルセットでも4-1とリードを広げた。

問題のシーンは3度目のブレークに成功した直後の第6ゲームでのことだった。40—0と順調にポイントを重ねたブルックスビーだったが、そこから立て続けにミスを犯し、コリアにブレークポイントを握られた。するとサービスキープまであと1ポイントがなかなか取れなかったせいか、苛立ちのあまり後ろに立っていたボールボーイへ向かってラケットを投げつけてしまったのだ。映像ではボールボーイの足にラケットが当たったようにも見える。

これを見た主審が「スポーツマンにふさわしくない行為」として、すでに1度警告を受けていたブルックスビーにポイントペナルティを通告。これによりコリアにブレークバックを許すこととなったが、この危険行為に対して主審は「失格」を言い渡さず。結果的にこの試合は21歳がファイナルセットを6−3で取って2回戦へ駒を進めている。
だが、逆転で敗れたコリアは、相手への処分に納得がいかなかったようだ。

試合後のインタビューで「(審判が)ボールボーイが大丈夫なのかどうかを聞こうともしなかったから、がっかりしている。なぜ彼(ブルックスビー)があんな行為に出たのかはわからないが、仮に自分もしくは他のラテン系の選手がやっていたら、3カ月はプレーできないだろう」とポイントペナルティの通告だけにとどまった主審を痛烈に批判。

そのうえでコリアは「ルールには“グレーゾーン”が多いと思う。ATPはどのように規定を定めるのか、いま一度合意する必要があるだろう。テニスが潔白なスポーツであることを望むなら、コート上での危険行為は失格だと規定しておくべきだ」と強く主張した。

2020年の全米オープン4回戦ではノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界1位)、昨年9月のチャレンジャー大会ではテニーズ・サンドグレン(アメリカ/現151位)が、線審やボールパーソンへの危険行為で失格処分を受けている。

それだけに、ブルックスビーに厳しい制裁がなかった点において釈然としない部分もある。コリアの言葉通り、ルールの曖昧さをなくすためにも、統括団体内でしっかりと議論するべきだろう。

文●中村光佑

【PHOTO】全豪オープン2022で活躍した男子選手の厳選ショットを一挙公開!

 

この投稿をInstagramで見る

 

Jenson Brooksby(@jenson_brooksby)がシェアした投稿

関連記事