最高の一瞬『きっかけになった写真_サーフィン』

 

2020年はコロナ禍で撮影に行けず、まったく写真を撮らない生活が半年くらい続きました。

 

メンタル的にも落ち込んでいたので、これはいかんと夜中に突然思い立って、のちに東京オリンピックのサーフィンの会場にもなる、千葉県の釣ヶ崎海岸へ行ったんです。

 

夜中に着いて朝起きると、サーフィンを楽しんでいる人たちがいっぱいいて、そうした方々の写真を撮りました。

 

そのなかで一人だけやたらとうまい人がいたんです。この日は台風一過で波が結構高く、なかなかうまく乗れる人がいなかったんですが、一人だけ何回もうまく乗っていて目立つんですよね。

 

そういう人だとやっぱり体の使い方もカッコイイ。それでこの人だけをずっと撮り続けて、いいのが撮れたなって思いました。

 

あとになって彼がプロサーファーの西慶司郎選手だとわかりました。

 

後に写真展を開いた時に、この写真の評価がすごく高かったんです。だから何か辛い時でも頑張って諦めなければ、それなりの何かが返ってくるんだなというのを感じました。

 

この写真をきっかけに、また頑張って撮ろうと思うようになったし、またいろいろなところへ撮影に行くようになった。そういう意味でも、ここ最近では一番思い出に残っている写真なんです。

 

 

▼髙須力(たかす・つとむ)

1978年東京都出身。2002年より独学で写真を始め、サッカーを中心に幅広い競技を撮影。FIFAワールドカップは2006年ドイツ大会から2022年カタール大会まで5大会連続取材中。ライフワークでセパタクロー日本代表を追いかけている。ANSP(日本スポーツ写真協会)会員。AJPS(日本スポーツプレス協会)会員。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。

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