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世界No.1のアイアン連発! コリン・モリカワは結婚後初勝利に「彼女の前で優勝できてよかった」

愛妻のキャサリン・チュウさんと最高の笑顔を見せた(撮影:岩本芳弘)

<ZOZOチャンピオンシップ 最終日◇22日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>

今年で5回目を迎えた「ZOZOチャンピオンシップ」は、コリン・モリカワ(米国)の2年ぶりの優勝で幕を閉じた。「信じられない。2年間勝てなくて苦労した時期もあったけど、このようにシーズンを締めくくることができて、来年に向けていい終わり方ができた」と喜びを語った。

最終組の1つ前の組で小平智、エミリアーノ・グリジョ(アルゼンチン)とともに、トップと2打差でスタートしたモリカワ。序盤から代名詞でもあるアイアンショットの切れ味は鋭く、早くも逆転勝利の気配が漂っていた。

モリカワはショットのスコアへの貢献度を表す「ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン」で米ツアーNo.1になったこともある、世界トップクラスのアイアンの名手。1番では右のファーストカットからいきなり手前2メートルにつけ、2番でもフェアウェイから手前1.6メートルにつけるショットを見せた。どちらもバーディパットは惜しくも外したが、続く3番パー3では手前1メートルにつけて、最初のバーディを奪う。

6番パー5はアプローチで寄せてのバーディだったが、8番では右のファーストカットからピン右1.5メートル、距離の長い9番パー4ではフェアウェイからピン手前2メートルにつけて連続バーディ。世界屈指のショット力が冴え渡り、独走態勢を築いていく。結局、最終日は7バーディ・ボギーなしの「63」と4日間のベストスコアをマーク。終わってみれば後続に6打差をつける圧勝だった。

最終日のフェアウェイキープ率は38.5%で全体61位にもかかわらず、パーオン率は83.3%を記録し2位タイ。3日目に一緒に回った石川遼も「150ヤード以内からバーディを獲っていく。ラフからのアイアンのラインの出し方がすごく上手い」と舌を巻く。また、大会4日間を通してパーオンホールでの平均パットは1.60で全体2位とグリーン上でも高いパフォーマンスを見せ、24個ものバーディへとつなげた。

日系アメリカ人のモリカワは「父親が日本にルーツがある。親戚の多くがハワイとカリフォルニアに住んでいて、だいたい日本人の血を引いている」と語る。今大会では、「週の始めは日本のファンが日本人選手を応援しているのが分かったけど、自分もその中の一人だと気づいて、とてもファンの応援を感じた。また日本に戻ってくるのが楽しみ」。3日目は石川、最終日は小平と回ったこともあって、モリカワにも多くの声援が送られていた。

21年7月には「全英オープン」を制し、11月には交際していたガールフレンドのキャサリン・チュウさんと婚約し、1年後の22年11月に結婚。しかし、全英オープン以降は勝ち星から遠ざかっていた。一緒に来日した妻の前で初めての優勝を遂げ、「彼女はいつもそばで僕の応援をしてくれて、自信を与えてくれて、信じてくれる。彼女の前で優勝することができてとても良かった」と、2年ぶりVの喜びを分かち合った。

日本には先週の金曜日に到着し、「東京に行って、一日で7~8カ所回って食べていた。食べすぎだよね(笑)」と観光を楽しんだ。そして「いつもは毎週のように転戦なので、こんな経験はできない。今週は東京に行ったりして妻と過ごせたので、とにかく楽しい一週間だった」と語る。モリカワにとって、日本とのつながりを深く感じる優勝だったに違いない。(文・下村耕平)

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