トレーニング『味の素 _アミノプロテイン』

このところコンビニに並ぶ総菜を見ていて気づくのがタンパク質の含有量を示す文字。これまではカロリー表示ばかりが幅を利かせていた気がするのだが…。これは世の中がタンパク質に注目している証ともいえる。トレーニングから、健康、美容にいたるまでタンパク質の有用性が広く知られてきたからだ。

実はタンパク質を英訳すると“プロテイン(Protein)”となる。トレーニングには欠かせない、シェイカーに溶いたプロテインをゴクゴクと飲むのも、まさにタンパク質を摂っているというのはご存じの通りだ。

今回紹介する、味の素の「アミノプロテイン」も必須アミノ酸を含んだプロテイン。ただしシェイカーもいらなければ、ゴクゴク飲むという感覚もない。見慣れたスタイルとは違う、プロテインとの新しい接し方を提案している。

「アミノプロテイン」と従来のいわゆるプロテインの違いを説明してくれたのが、味の素の小田直人さん。今は「アミノプロテイン」に携わるが、学生時代は体育会ラクロス部に所属したアスリートであり、そのころからプロテインとは長くつきあってきたという。

「アミノプロテイン」の話に入る前に、タンパク質、アミノ酸について復習しておきたい。タンパク質は重要な栄養素。そのポイントを小田さんはこう話してくれた。「タンパク質を構成する最小成分がアミノ酸で、20種類あります。それらは必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられるのですが、必須アミノ酸とされる9種類はカラダの中で作り出すことができない。だから食事などで摂取しなくてはなりません」

だがタンパク質を食事から摂取しようとするとき、タンパク質をより多く摂ろうとすれば、カロリーも同時に増えてしまうことになる。タンパク質を摂ろうと、焼肉をしこたま食べれば、同時に脂肪もたっぷりついてくる。こうした状況はカラダにとって芳しいものとはいえない。理想の栄養とはタンパク質だけでなく、糖質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取した状態であることは言うまでもない。

ずっと「アミノプロテイン」に携わってきた小田さんだが、「カラダ作りに大切なのは、トレーニング、休養、そして栄養をバランスよく組み合わせていくことです」と力説する。その上で「アミノプロテイン」はその食事を補う存在であり、スポーツをしているときの“補食”と位置づけている。

ではこの「アミノプロテイン」は、従来のシェイカーに入れて飲むプロテインとどこが違うのだろうか。一般的なプロテインを摂取するには約20gのプロテインの粉と、それを溶かすために200g程度の牛乳などが必要とされる。だが人によっては、これを飲むだけでお腹がふくれてしまいかねない。そうなると栄養を摂取するための最優先の手段である、食事を十分に摂ることができなくなる。

プロバスケットボールプレーヤーの富樫勇樹選手が「アミノプロテイン」を飲む、上の写真を見てほしい。「アミノプロテイン」を1回に飲む量はスティック1本、わずか4gなのだ。そのまま飲んでも、水で流し込んでもいい。満腹感が生まれて、大切な食事が食べられなくなるようなことなく、タンパク質を補給できる。さらに部活やトレーニングに出かけるバッグの中に、かさばるシェイカーを入れる必要もなくなる。これをありがたく感じるアスリートも多いはずだ。

また体に取り込むまで約30分程度という、スピーディな吸収が大きな特徴であるアミノ酸は、ベストなタイミングで摂取してこそその有用性がわかる。従来のプロテインの場合、溶かすための牛乳がグラウンドに置かれていることはあまりない。そのため飲むのがあとまわしになってしまい、望ましいタイミングを逸してしまうことになる。ところが4gの顆粒であれば、水で流し込むとしても、飲みたいときに、どこでもすぐに飲むことができるわけだ。

だが、飲んだあとでもお腹がふくらまずいつも通りに食事ができて、いつでもどこでも飲むことができて、運動することを前提に従来のプロテインと変わらないカラダ作りができる。これは、これまでのプロテインとはまったく異なるモノを開発することになる。

多くのトップアスリートから得た情報をもとに、研究所と連携しながら作り上げるプロセスは困難を極めたという。結果、味の素独自の9種の必須アミノ酸の新たなバランスによってそれが可能となった。その詳細はシロウトにはなかなか理解はできないのだが、結果、特許を取得するまでにいたったというから、ハードルの高い研究であったことはうかがわれる。

そして本当に必要とされるアミノ酸を厳選しながら、必須アミノ酸9種類を3,300mg配合。さらにスティック1本で約17kcalという低カロリーが実現した。さらに結果もあらわれた。大学のラグビー部員54名に対して行われた、味の素のモニター試験では、「アミノプロテイン」を毎日摂取しながら、1日2回のウエイトトレーニングを2カ月続け、体重と除脂肪(筋肉量)を測定した。すると体重、除脂肪ともあきらかな増加が確認された。

トレーニングとともに継続することで、カラダ作りに有用なのが「アミノプロテイン」。飲むタイミングとして推奨されているのは、運動の後、お休み前となっている。だが、飲む量は1日1~3包くらい、飲むタイミングも補給したいときでもかまわない。つまりそれほど神経質に考える必要がないところも長続きにつながりそうだ。トレーニングをしない日でも、お休み前にスティック1本というのもアリだ。まずは習慣にすることがはじまりとなる。

プロテインの新たなスタンダードとなるかもしれない「アミノプロテイン」。小田さんはこうとらえている。「トレーニングの方法でもより良いもの、より合理的なものがあれば、みなさんはどんどん取り入れていくはずです。ならばプロテインだって、シェイカーが必要という先入観を捨てる、という新しい価値観も受け入れられるのではと思います」

トレーニングの傍らにはプロテインがあることがあたり前、となってからもう約30年も経つ。アスリートとプロテインのつきあい方に変化が生まれてもおかしくはないはずだ。

関連記事