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19歳ルーキーのウー・チャイェンが目指すリランキング突破 日本で苦労していることは…

台湾の19歳新星、ウー・チャイェンが躍動中(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 初日◇18日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

下部のステップ・アップ・ツアーで賞金女王争いを独走中のウー・チャイェン(台湾)。今季6試合目となるレギュラーツアーでも安定したプレーで「69」とスコアをまとめ、3アンダーの18位タイにつけた。

2004年3月25日生まれの19歳。日本の学年に当てはめると、櫻井心那や川﨑春花と同じ“ダイヤモンド世代”だ。ステップはシーズン半ばだが、来季のレギュラーツアー前半戦の出場権を得る賞金ランク2位以内はほぼ確実。レギュラー―では「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了時に行われる第2回リランキングを突破し、10月以降のレギュラーツアー参戦も見えてきている。

今季のステップでのウーの成績は圧倒的。これまでに開催された12試合中11試合に出場し、2勝を飾った。2位3回を含め、トップ5が8回。賞金ランキングはもちろんトップを独走中で、2位につける小滝水音の2倍以上となる1580万円余りを稼ぎ出している。小滝はレギュラーツアー初優勝ですでに“昇格”を果たしており、2位以内どころか、女王戴冠の可能性がかなり高い。

平均ストロークは驚異の「69.96」。まだ11試合を残しており、獲得賞金、平均ストロークとも過去最高だった昨季の櫻井(2511万円、70.67)を上回るペースで突っ走っている。櫻井が今季のレギュラーで2勝を挙げていることを考えると、来季のウーは間違いなく有力なブレーク候補だろう。

今大会の初日は4バーディー・1ボギーという内容で「80点です」と自己採点をした。「グリーンはめっちゃ速いから、自分はまだ慣れていません。今日は12(フィート)で、ステップは9か、10ぐらい。台湾は8、9が多いです」。最終18番パー5では残り67ヤードの3打目を60センチにつけ、グリーンのスピードを気にする必要がないバーディーで締めくくった。

家族とともに来日して1年目。日本で苦労していることを尋ねると「こうやって取材のときにまだ日本語がしゃべれないから、それが一番困っている」と苦笑いする。教科書を開いて日本語を学ぶだけでなく、他の選手の動画を見て、インタビューでの受け答えを勉強している真っ最中だという。

先週の「NEC軽井沢72」は3日間アンダーパーを並べて11位タイ。2度目のトップ10入りは逃したが、暫定リランキングは31位まで上がった。第2回リランキングまでの今大会を含めた6試合で、現在の位置を維持できれば、終盤戦はレギュラーで多くの試合に出場できる。

「10月からのことですか? はい、考えてます」とウー自身もそのことはしっかり意識。現状では出場機会が限られるだけに1試合も無駄にはできない。「まずは予選を通過して、上位に行けるように頑張ります」。取材の最後はきっと誰かのインタビューを見て学んだのであろう定番のフレーズだったが、意気込みは十分に伝わってきた。(文・田中宏治)

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