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“曲がらない男”稲森佑貴、ドライバーシャフトを『NXブラック』に変更していた【勝者のギア】

『スピーダーNXブラック』(60X)の45インチに珍しくドライバーのシャフトを変更した稲森佑貴(撮影:佐々木啓)

<ACNチャンピオンシップ 最終日◇8日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7295ヤード・パー72>
 
“日本一曲がらない男”、稲森佑貴がソン・ヨンハン(韓国)とのプレーオフを制し、今季ツアー初優勝、通算5勝目を挙げた。18番を使用した延長戦のティショットで、ヨンハンが「今まで安全に行ってプレーオフで負けていたので」と、ティショットを強振したものの「風向きが変わって」深いバンカーに入り万事休す。パーで切り抜けた稲森がプレーオフ初勝利を挙げた。

優勝会見では珍しく涙を見せ、「夏場に思うような球が打てずに苦しんだ」と話すものの、持ち前のFWキープ率はここまで「79.74%」と、2位の選手に10%以上もの大差をつける。今大会でも4日間で「87.5%」はもちろん1位。これを活かして大会のパーオン率も77.778%で1位と、安定したプレーぶりが光った。
 
最終日は2打差を追いかける好みの展開だったが、風もなく周りも伸ばすのは想定済み。「伸ばそうという考えを置いておいて、パーで十分という気持ち」で回った結果、7バーディを量産した。そして、前戦「東海クラシック」の最終日から「元々エースだった」オデッセイ『ストロークラボTEN』を再登板させていた。
 
「パナソニック(オープン)から違うパターを使って、なかなか今週つかっているやつが入らずに気分転換で替えて、あとはちょっと違うと思って一回戻そうと。東海(クラシック)の最終日も入ってくれたので、そのまま引き継いで今週使って。そうしたらボクのイメージと合っていたのでこれで行こうと」(稲森)

その2戦前の「パナソニックオープン」から「ドライバーもですけど、FWキープが上がってきているので助けられている」と、珍しくドライバーシャフトを変更した稲森。以前はフジクラ『ベンタスTRブルー』(6X)の44.75㌅だったが、『スピーダーNXブラック』(60X)の45㌅にしていた。フジクラのツアー担当者は変更経緯をこう明かす。
 
「パナソニックオープンで、以前渡していた『NXグリーン』を『最近ボールのつかまりが悪いので』とプロが持参していたたため、【先中調子の『NXブラック』も試してみてよ】となりました。最近は中元調子の『ベンタスTR』で落ち着いていたので『NXブラック』はテストしていませんでしたが、元々先中調子の『初代エボ』を長く使用した選手なので、ダンロップさんと準備はしてありました。
 
プロの使用感は『2年ぶりにドローが打てました』と冗談が出るほど良い感触で、即投入。スピン量2800前後で『もう少し落としたい』と要望があったものの、左右の揃い方に加え、入射角もほぼ0度なので『適正値』とトラックマン担当者の後押しもあり、非常に気に入ってくれました。他のプロ含め、想定以上に男子ツアーで『NXブラック』の評価が良く、手応えを感じます」(フジクラ・ツアー担当)
 
なお、稲森の14本は、ウェッジは2本で上が厚め。「ボクは飛距離が飛ぶ方ではないので、下はウェッジを2 本しか入れてなくて、クォーターショットとフルショットを使い分ける感じ」と、58度にもクリーブランドの新モデル『RTX DEEP FORGED2』を入れていた。
 
「アイアンもここぞという時の2打目をアグレッシブに狙えるのは心強い。FWやUTも、特に今回ロングでバーディを拾えたのも、今日初めてアイアン使ったくらいで、それもハイブリッドで助けられたし、グリーン周りで外れても、ウェッジも新作を入れまして58°のウェッジでアプローチのバリエーションが増えました」(稲森)
 
次週は2勝している「日本オープン」の舞台、茨木CCへ乗り込む。飛距離が全てではない、タフなコンディションでこそ“らしさ”を発揮する稲森。「得意というわけではないですけど(笑)、大好きなので日本オープンにこの優勝を繋げていけたらいいかなと思います」。
 
【稲森佑貴の優勝クラブセッティング】
1W:スリクソン ZX5 Mk II(10.5°スピーダーNXブラック6X 45㌅)
3,5W:スリクソン ZX MkⅡ(15,18°ベンタスブルー 6X)
3,4U:スリクソン ZX(19,22°スチールファイバー i95 X)
5I〜PW:スリクソン ZX5 Mk II(N.S.PRO MODUS3プロト)
50°:クリーブランド RTX ZIPCORE(〃)
58°:クリーブランド RTX DEEP FORGED2(〃)
PT:オデッセイ ストロークラボTEN

BALL:スリクソン Z-STAR

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