衝撃の“301yd”ドライブ! 岩井明愛は上昇気流に乗って全英へ

超ビッグドライブも披露した岩井明愛。上昇気流に乗って渡英する。(撮影:鈴木祥)

<楽天スーパーレディース 最終日◇30日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>

後半に5バーディを量産した岩井明愛は「66」のラウンドで、トータル17アンダーの4位タイでフィニッシュ。海外メジャー「全米女子オープン」の予選落ちを挟んで、国内ツアーでは5試合連続のトップ5となった。次戦は2度目の海外メジャー挑戦となる「AIG女子オープン」(全英、8月10日~)。先に欧州でプレーしている妹・千怜に“お土産”を持って海を渡る。

「悔しいです。前半にもう少し伸ばしておきたかったですね」。3番でバーディが先行したものの、前半のバーディはこのひとつだけ。後半のバーディラッシュも優勝争いに絡むには遅かった。初日から「69」「69」「67」「66」と尻上がりだったが、「初日、2日目に比べると、決勝ラウンドでは思うようなショットが少なかった」と振り返った。

ただ、今大会では衝撃の一打を放っている。初日の10番(401ヤード)で放ったティショットは、JLPGAの計測で301ヤードのビッグドライブだった。「力まずに打てたいいショットで、これは飛んだなと思いました。でも、暑いと体が動くので、今週はみんな飛んでいるんじゃないですか?」。明愛自身は『301』という数字にも意外なほどクールな反応だったが、佐藤大輔キャディは「2打目が残り75ヤードだったんで、おかしいな、間違えたかなと思いました。それぐらい飛んでいましたよ」と証言した。

今季ツアーで計測された300ヤード越えは22回目だが、風などの条件が整った日に同一ホールで複数人が記録するケースがほとんど。一例を挙げると、「フジサンケイレディス」初日の12番では実に9人が記録している。今回は明愛だけが300ヤード越えを果たし、2位の松田鈴英(281ヤード)とは実に20ヤード差。今大会のドライビングディスタンスも274.25ヤードで1位と持ち前の飛距離に磨きがかかっている。

明愛はあす31日(月)にも渡英し、「アムンディ・エビアン選手権」に出場していた妹・千怜と合流予定。「詳しい予定は把握していないんですけど、向こうで一緒にどこかのコースを回って調整すると思います。もっと思った通りのショットが打てるように、メチャメチャ練習したいです」。すでに千怜からは“みそ汁が飲みたい”とリクエストが入っており、インスタントの味噌汁とレトルトのご飯を差し入れとして持参するという。

「全英ではトップ5に入りたいと思っているんですけど、まずはその前にしっかり予選を通過したいですね」。ワールドクラスの飛距離と日本ツアーで積み重ねた優勝争いの経験を生かし、1打差で予選落ちを喫した「全米女子」のリベンジを果たす。(文・田中宏治)

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