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海外参戦のターゲットは「全米女子オープン」 勝みなみは国内3連戦後に渡米し新たな挑戦へ

勝みなみが米ツアーの参戦へ抱負を語る(撮影:ALBA)

米国女子ツアー本格参戦を目前に控えた勝みなみが10日、茨城県の茨城ゴルフ倶楽部で取材に応じた。まずは「1勝」を目標に、ルーキーとして2023年シーズンを迎える。

昨年末に2週間、計144ホールの予選会(Qシリーズ)をプレーし、つかみとった米ツアーのメンバーカード。「不安な部分もあるけど、アメリカのコースを回れるのは楽しみ。雰囲気も違うと思うので、それを味わいたいですね」と、今はドキドキとワクワクが入り混じった心境だ。オフはコース外での仕事の合間に練習やトレーニングを積む忙しい日々を過ごし、「もう開幕かという感じ」というのも本音。それでも予選会でドライバーの飛距離やパターなどで得られた、「劣っていなかったと思う」という自信は支えになる。
 
日本ツアーで1年間を過ごした昨季は、10月の「日本女子オープン」での連覇を含む2勝を挙げた。ただ「目標は(年間)3勝だったので」と、この結果には少し悔しさも残す。それでも明るい表情のまま海を渡ることができそうなのは、この年に海外で起こった出来事が大きな要因になる。「古江(彩佳)ちゃんがルーキーで1勝して、『自分にもできるかも』という希望を与えてくれた」。2学年下の後輩が見せてくれたスコットランドでの姿が、勝にとって「まずは1勝を」のモチベーションになっている。
 
現在はカラダの深部にある細かい筋肉、いわゆるインナーマッスルを鍛えることを主眼に置いて、トレーニングに向き合っている。「自分が目指す理想のスイングを100%再現するために、いろいろな筋肉を動かしたい」というのがその狙い。スイング面については、海外で戦うからといって大幅な改造をすることはなく、昨年までのフォームをベースに「微調整」を施している段階。「ボール(を置く位置)や、手の位置など。いい時には無意識でできることを理解して、悪い時にも再現できるよう、(ベストポジションを)見つけていきたい」。この完成度は「80%」にまで仕上がっているとも話す。
 
予選会からのツアー参戦とあって、すべての試合に無条件で出られるわけではない。昨年末の関門自体は5位と上位で突破したが、ツアー全体で見ると今季開幕時の出場優先順位は140位。人数が少なく、予選落ちもない次戦の「ホンダLPGAタイランド」(2月23~26日、タイ)や、続く「HSBC女子世界選手権」(3月2~5日、シンガポール)のアジアシリーズ2連戦のエントリーは叶わなかった。
 
そこでまずは3月2日に始まる開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から、国内で3連戦に臨む。特に第2戦の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフ」は所属先(明治安田生命)が冠スポンサーのホステス大会で、第3戦の「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」は地元・鹿児島の大会とあって、気持ちを高めたままプレーすることができる。これを終えるとすぐに渡米し、3月23日開幕の「LPGAドライブオン選手権」(アリゾナ州)で“米デビュー戦”を迎えるスケジュールが組まれている。
 
将来的には「(まだ勝っていない)3つのメジャーで勝ちに戻りたい。日本女子オープンで連覇して、年間女王のタイトルも欲しくなった。複数年シードもあるので、向こうでやりきったら帰ってきたい」と、再び日本ツアーでプレーする考えもあるが、今は海外での活躍に集中する。「全米女子オープンで勝ちたい。そのためにまずは経験を積んで優勝を重ねることが大事。欲張らず一つひとつクリアできれば」。この大目標に向け、勝みなみが新たな挑戦への第一歩を踏み出す。(文・間宮輝憲)

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