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「接戦の優勝はいい経験」さらにパワーアップした山下美夢有の通算7勝目

ジュニアたちとともにトロフィーを掲げる山下美夢有(左から3番目)(撮影:佐々木啓)

<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日◇9日◇花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース(兵庫県)◇6435ヤード・パー72>

これが昨年5勝を挙げた女王の強さか。

「毎試合優勝を心掛けていますが、チャンスがくれば流れでいけると思います。なので女王になったからといって、早く勝たなければという感じではなかったです」

今シーズン6戦目での初優勝に「遅いかどうか」という質問を受けた山下は、女王の肩書きにしばられた「よそいきのゴルフではない」とキッパリ言い切った。

岩井千怜とのデッドヒートが続いた。前半で2打リードされたものの、「追いかける立場になったので、そのためにはどうしないといけないかを考えていました」と、慌てずノーボギーのプレー。10番、13番、16番のバーディで岩井と並走し、トータル9アンダーで最終18番を迎えた。

そのセカンドショットを「会心の一打」で約1.5メートルにピタリ。バンカーに入れた岩井にプレッシャーをかけ、バーディパットは外したものの相手のボギーで通算7勝目を手に入れた。

地元・関西でのV、多くのジュニアの前での優勝と二重、三重の喜びに包まれたが、山下自身にとってさらに大きかったのは、手に汗握る展開を制したことだった。

「接戦の戦いはいい経験にもなります。こういう優勝争い、こういう戦いができたのは本当にうれしい」

山下の過去の優勝をひもとくと、「1勝目:2打差から逆転」「2勝目:6打差から逃げきり」「3勝目:4打差から逆転」「4勝目:8打差から逃げきり」「5勝目:2打差から逆転」「6勝目:プレーオフ」。6勝目を挙げたプレーオフは、3組先をいく勝みなみと並んでつかんだものだった。確かに大差から逃げきるか、勢いよく逆転するかのケースが多く、今回のように相手と直接駆け引きする経験を積んだのは大きな財産だろう。

「最後のパットは決めたかったですね。そんなに距離もなかったし、バーディを獲ったところより全然簡単なラインだったので。外したときは、初優勝した(2021年の)KKT杯バンテリンレディスを思い出しちゃいました。優勝は決まっていたんですが、最後に1メートルくらいのバーディパットを外してしまって(笑)」

と思わぬオチもあったが、今大会で昨年の女王が一回り大きくなるのは間違いない。

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