通算得点歴代2位となったレブロン、ジャバー超えは「考えない」。NBAの王が語った偉人超えの胸中<DUNKSHOOT>

通算得点でNBA歴代2位に浮上したレブロン。トップのジャバーにも肉薄しており、来季中にはリーグの頂点に立ちそうだ。(C)Getty Images
現役最長タイとなる19シーズン目を戦うレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、現地時間3月19日(日本時間20日)のワシントン・ウィザーズ戦で38得点、10リバウンド、6アシストを記録。またひとつNBAの歴史を塗り替えた。

チームは119−127で敗れ、今季戦績が30勝41敗(勝率42.3%)となったものの、37歳のスーパースターは第2クォーター途中に八村塁の頭上から3ポイント、その後カットインからレイアップを決めて通算3万6930得点に到達。主にユタ・ジャズで活躍したレジェンドPF、カール・マローンの3万6928得点を抜いてNBA歴代2位へ躍り出た。

この試合を終えて通算3万6947得点へと伸ばしたレブロンは、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか/3万8387得点)が保持するリーグ得点記録にあと1440得点まで迫っている。

「プレーを続けていけば、これまでに映像を観ては学んできた偉大な選手たちと肩を並べることができる。そのたびに俺は言葉を失うよ。それは旅路のなかでも自分だけじゃなく、家族や友人たちにとっても光栄なことだ」
今季のレギュラーシーズンは残り11試合のため、ジャバーの大記録を超えるのは早くても来季となるが、レブロン自身は「考えないようにする」という。

「俺はこれまで、いつだって自分のやり方でプレーしてきた。こうした記録というのは、正しくプレーしてこそ、自然と生まれるものなんだ。キャリアのどこかで達成できることを願うよ」

また、レブロンは今回記録を塗り替えたマローンと自身の類似点について18日にコメントしている。

「(類似点は)当然ある。キャリアの大半を通して身体をケアし、チームメイトとして常に出場可能な状態でいることを望んでいた。最も重要なリーダーシップというのは、できる限りフロアに立っていられるように努力すること。その点、彼と俺は常にユニホームを身にまとい、コンディションを維持してきた。可能な限り健康体を保ち、ケガからも解放された状態に仕上げて、コート上で常に貢献できるようにしてきたんだ」
1985年から2004年にかけて計19シーズンをプレーしたマローンは、筋骨隆々の肉体を誇り、常に安定して点を積み重ねることから“メールマン”(郵便配達人)の愛称で親しまれた。

レイカーズでプレーした現役最終年こそ40試合を欠場し、当時ルーキーだったレブロンとの直接対決は実現しなかったが、それまでの18シーズン中10シーズンで82試合にフル出場。それ以外の年も3試合以上欠場したことはなく、ケガに滅法強い選手として一線級で活躍し続けた。
レブロンとマローンの高位安定さを物語る数字としては、1シーズン2000得点以上を残した回数が挙げられる。これは82試合にフル出場したとしても平均24.4点以上を残さなければならないが、レブロンは10回、マローンは12回も達成。10回以上を誇るのはこの2人とマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/11回)の3人のみだ。

長期間にわたってトップパフォーマンスを維持してきた“鉄人”マローンを抜いたレブロン。ここまでくれば、来季には是非ともジャバーの記録を抜き、NBA新記録を打ち立ててほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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