サポーター社員をヴェルディへ!アカツキが描く「クラブW杯決勝」への道
渋谷の街を緑で染めたい
−ファン目線で見ていると「うちのクラブはなぜこうしないんだろう?」と思っていたことはあるかと思います。
ただ、いざ中に入ったらそうはいかないこともあるかなと思います。実際にそういうことを感じましたか?
菊地:コアなファンになればなるほどクラブに対する課題意識はもちろん持っていると思います。自分としても「こういうことやったら良いのにな」という思いはたくさんある中でヴェルディに出向したのですが、実際には実行できるものもあれば、できそうに見えるけど外から見えてない壁があってなかなか難しいこともあります。
−それは具体的なものはどういったところでしょう。
菊地:具体的に言うと、IT企業の感覚だと新しいWebサービスを入れてみよう、というアイディアが出たら1日後にはトライアルができるような環境にあります。ただ、サッカーは1シーズンものなので、制作物など、一度作るとフォーマットをシーズン中はそのまま変えられないものもあります。
ちょっとした仮説を検証する、というのがなかなか難しいとは感じます。Webサービスの感覚だと定量データを追えるのでこの施策をやったら結果どれだけ離脱したとかコンバージョンした、というのが見えて、良かった悪かったの判断ができるんですけど、施策のROIみたいなものがなかなか判断しにくい部分はあります。それゆえに、なかなか新しい施策に踏み込めないというのは結構あるなと感じました。
だからこそJリーグ全体としてデータを取って行くのは大事だと思っています。この流れは3年ほど前からあって、実際にヴェルディとしてもそういう流れを組んで昨シーズンぐらいからデータを集める施策をやっていますし、僕たちアカツキもデータドリブンマーケティングを強みとしてやってきた会社です。
アカツキから送り込まれている以上はそういった部分を推進していける施策をやっていかないといけないな、とは思います。
もちろん定量データだけではなく、積極的にファンやお客さまへ「この施策はいかがですか?」とヒアリングすることは積極的にやっていきたいなと。スタジアムにお客さんが来て接することができるというのはリアルビジネスだからこその強みであると思うので、そこはどんどんチャレンジしてやっていきたいなと思いますね。
−なるほど。最後になりますが、この3年間でどういう道筋を描いているか、こういうふうにしたいというビジョンがあれば教えてください。
塩田:やはり観客動員数を増やしていきたいというところはありますし、古くからのファンの方々が試合を見てくれたとき、そもそも楽しくなかったら離脱する危険性もあります。歴史も尊重しながらも、より多くの方々がヴェルディと接する機会を増やし、単純にファンとして広げるというよりも我々の思いに共感してくれる人を増やしていければと思います。
この3年でその動きをしたいなと。もちろん、ヴェルディがJ1に行って欲しいなと思っています。そこは神のみぞ知るところですが、近い将来、ヴェルディがFIFAクラブワールドカップに出てバルサと決勝で戦っているところを見たいと思っています。
ヴェルディはサッカー界の“人材輩出企業”だと思っていますから。対戦相手のバルサにもヴェルディ出身の選手がいたら面白いですよね。
今って日本代表の試合をやっているときは渋谷の街が青に染まりますけど、それがヴェルディの緑色に染まるのを見たいなと。緑色のグッズやユニフォームを着た人たちが街中でハイタッチしている絵を描くことを目指してやっています。その世界をイメージしながらやっていきたいです。
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