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4年後の日本代表のスタメンを予想 安定の中盤に比べて、FW陣は「第2の大迫」探しが急務

(Photo by Artsanova)

(大会直前のため再掲載)

日本サッカー協会は11月1日、20日に開幕するカタール・ワールドカップを戦う日本代表のメンバー26人を発表した。今回はメンバー発表時点でW杯初選出が26人中19人と、前回のロシア大会から4年で大幅な世代交代を図ったことになった。そんな中で今回は一足早いのは承知の上で、カナダ、メキシコ、アメリカの共同開催となる2026年大会のメンバーを予想してみたい。カタール大会を経て、どのポジションで世代交代が進みメンバーに入れ替わりが起こり得るのか、推測を交えながら、考えてみたい。(文・井本佳孝)

GKは新守護神争いが展開か

サッカー

シュミット・ダニエル(33歳)
谷晃生(25歳)
鈴木彩艶(23歳)

※年齢は2026年1月1日時点

まずGKにはカタールW杯メンバーからシュミット・ダニエル、そして東京五輪世代の谷晃生、パリ五輪世代の鈴木彩艶の3人を選出した。ベルギーでキャリアを築くシュミットはGK陣を束ねるリーダーとしての役割も期待しての人選で、2010年南アフリカ大会の川口能活や、カタールW杯における川島永嗣のような海外経験も重ねて得た知見やW杯での経験を若手に伝えていく働きを期待したい。

そして、2026年W杯において熾烈を極めるのが日本代表の新守護神争いである。今回選出した谷はカタール大会でも候補に挙げられており、川島、権田修一、シュミットの3人がいずれもベテランに差しかかることから次世代を担う存在として一番手に挙がる。東京五輪でも日本のベスト4入りに貢献と国際舞台でも実績を積んできた谷が、落選の悔しさをバネに4年間でどのように成長を果たし、日本のGKに定着していけるか。

3人目に選出した鈴木はアメリカ生まれで、各ユース年代に飛び級で選出されるなど兼ねてからそのポテンシャルを評価されてきた。パリ五輪の守護神候補の筆頭であり、A代表としても7月のE-1選手権で初キャップを踏むなど着実にステップを重ねている。谷、鈴木と同じくE-1選手権のGKに名を連ねた大迫敬介を含めた3人が、この4年間で日本のレギュラー定着をかけて熾烈な争いを繰り広げると予想する。

DFは冨安を新リーダーに指名

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冨安健洋(Photo by Mike Hewitt / getty images sport)

板倉滉(28歳)
中山雄太(28歳)
冨安健洋(27歳)
伊藤洋輝(26歳)
橋岡大樹(26歳)
菅原由勢(25歳)
チェイス・アンリ(21歳)

※年齢は2026年1月1日時点

DFはカタールW杯メンバーが次回に向けても引き続き主力を担っていくだろう。2026年に28歳を迎える板倉滉と中山雄太、26歳を迎える伊藤洋輝といったメンバーは、現在欧州各リーグで研鑽を積んでおり、これから選手としてのピークを迎えていく。現代表の森保一監督のもとで主将を担ってきた吉田麻也が34歳を迎えていることから、次の世代を背負う役割が期待される。

なかでも現代表のレギュラーであり、2026年に27歳を迎える冨安健洋は今季プレミアリーグで首位争いを展開するアーセナルで守備のマルチロールとして重用されており、世界最高峰の舞台で成長を遂げている。この4年で世界トップクラスのDFに名を連ねることも視界に捉えており、吉田の後を継ぎキャプテンマークを巻き日本を引っ張る役割も冨安には求めたい。

彼らに続く存在として橋岡大樹と菅原由勢の2人を挙げたい。東京五輪世代でベルギーとオランダで奮闘する2人は酒井宏樹がベテランに差し掛かっていることから、新たな右SBとして推したい選手で、橋岡はCB、菅原はWBと3バックで共存可能なのも魅力だ。また、シュツットガルトのセカンドチームでプレーするCBのチェイス・アンリは187cmの圧倒的なフィジカルが武器の有望株で、今後のさらなる成長で2026年のメンバーに名を連ねるかは注目だ。

常連MF陣に若手が絡めるか

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久保建英(Photo by なかしまだいすけ / アフロ)

遠藤航(32歳)
守田英正(30歳)
鎌田大地(29歳)
旗手怜央(28歳)
三笘薫(28歳)
田中碧(27歳)
堂安律(27歳)
久保建英(24歳)
藤田譲瑠チマ(23歳)
松木玖生(22歳)

※年齢は2026年1月1日時点

中盤には10人を選出し、カタール大会からの継続は7名。シュツットガルトで主将を務める遠藤航やチャンピオンズ・リーグの舞台を経験した守田英正、鎌田大地、ヨーロッパ・リーグでプレーする久保建英や堂安律といった面々は今後もクラブでの継続的な活躍が期待できる実力者だ。いずれも出場すれば初となるカタール大会での経験を経て、20代中盤から30歳前後に差し掛かるこの4年のキャリアには注目が集まる。

そして田中碧、三笘薫といった川崎フロンターレ時代の同僚とともにメンバーに挙げたいのが旗手怜央。川崎や東京五輪代表でマルチロールとして存在感を高めた旗手は、昨冬に加入したセルティックでもレギュラーとしてリーグ戦やCLで活躍しながらカタール行きを逃した。28歳を迎える4年後に向けて、落選の悔しさを糧に日本代表に定着できるかはサッカーファンも求めるところだろう。

そして、今後も“常連組”の定着が予想されるハイレベルな日本の中盤において、ニューカマー枠として2026年メンバー入りに推したいのが藤田譲瑠チマと松木玖生。ともにJ1での経験も重ねながらパリ五輪でも主力を担っていくホープで、松木はカタールW杯のサポートメンバーに名を連ねた。2010年南アフリカ大会では香川真司、2018年ロシア大会では久保建英といった後にW杯メンバー入りする面々が練習パートナーを務めてきた実績があり、彼らに続けるか期待がかかる。


(次のページ「“ポスト大迫”探しが課題のFW」へ続く)

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