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南野拓実のカラバオ杯決勝で出番なしも指揮官からは称賛の言葉。一方、クラブOBは「主力のレベルにない」と厳しい指摘

決勝では出番がなかった南野。チームメイトには溶け込んでいるようだが、大一番でチャンスを与えられないことに、本人は忸怩たる思いだろう。(C)Getty Images
現地時間2月27日、カラバオ・カップ決勝がウェンブリー・スタジアムで行なわれ、リバプールが0−0からのPK戦でチェルシーを下し、10年ぶり9回目(史上最多)の優勝を飾った。

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8万5000人の観衆を集めた一戦、互いに一歩も譲らぬ激戦を展開し、後半にセットプレーからリバプールがジョエル・マティプのヘッド弾でネットを揺らすも、直前のフィルジル・ファン・ダイクがVAR検証の末にオフサイドをとられて取り消し。チェルシーもカイ・ハベルツやロメル・ルカクがシュートを相手ゴールに突き刺したが、こちらもオフサイド判定(後者はVARによる)を下され、両者ともにスコアを動かせないまま、120分間を終えることとなった。

PK戦となると、今度は互いにノーミスでゴールを決め続け、ついに11人目のGK対決へ。先攻のリバプールはクィービーン・ケレハーが成功したのに対し、PK戦に備えて120分からエドゥアルド・メンディに代わってゴールマウスの前に立ったケパ・アリサバラガのシュートは大きくクロスバーを越えてしまうという、チェルシーにとっては何とも皮肉な形で勝負は決した。
世界王者を抑えて今季初タイトルを手にしたユルゲン・クロップ監督は試合を振り返り、「序盤は良かったが、その後は我々が主導権を握り、より良くなった。後半、チェルシーが幾度かチャンスを作ると、我々が再び立て直し、最後は全員が疲弊した。そして、これまでで最もスペクタクルなPK戦のひとつになった。このような形で優勝できたのは、本当に素晴らしい」と満足感を示した。

また、「チームシートにもっと多くの選手の名があれば完璧だった」と語り、チーム全体の勝利であることを強調した指揮官は、「タクミとディボック(オリギ)がいなかったら、また2人のゴールがなかったら、我々はここにいなかっただろう」と具体的な選手の名前を挙げ、その貢献を称賛している。

南野拓実は、カラバオ杯では初戦のノリッジ戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者になると、続くプレストン・ノースエンド戦でも決勝点、準々決勝レスター戦では土壇場で値千金の同点ゴールを決める(PK戦では5番手で失敗したが……)など、勝ち上がるうえで絶大な存在感を示した。準決勝アーセナル戦ではゴールはなかったものの、このコンペティションでは全試合でピッチに立ってきたが、残念ながらこの決勝でクロップ監督から声がかかることはなかった。
彼が出番なしに終わったことについて、SNSでは「ミナミノとオリギがスタメンじゃなかったことに失望した」「彼はピッチ上でチームに貢献できなかったことにガッカリしているだろう」「なぜ南野がプレーできないのか? 彼なしにリバプールは決勝には上がれなかったというのに……」「決勝でタキを見たかった」といったファンの不満の投稿が多く上がり(もちろん逆の意見も同様に多かったが……)、「ケレハー、オリギ、そして南野こそが、トロフィーを掲げるのに最も相応しい」との称賛の声も多々見られた。

表彰式の後には、コスタス・ツィミカスから優勝トロフィーを渡された南野がこれをスタンドのサポーターに向けて高く掲げる際、ファン・ダイク、ジョーダン・ヘンダーソン、ファビーニョらが背後で盛り上げる場面が、現地メディアでも「ハートウォーミングな瞬間」(クラブ専門メディア『EMPIRE OF THE KOP』より)と話題になった他、クラブ公式SNSは「このカップ戦の旅で不可欠だった存在。ミナミノの素晴らしい瞬間」と投稿して動画を公開、ファンからも多くの祝福の声が寄せられている。
一方で、クラブOBでコメンテーターを務めるジェイミー・キャラガーは、今冬にポルトから加入し、この決勝でもそのスピードを活かして効果的なプレーを見せたルイス・ディアスを「本当に素晴らしかった」「特別な選手だ」「今季のこの段階で、リバプールに大きな違いをもたらすことができた」と絶賛するとともに、以下のように「バックアップ」選手たちを引き合いに出した(英国の日刊紙『METRO』より)。

「もし1月にリバプールが彼を獲得していなかったら、(今日の試合で)チームはどうなっていただろうか? (足首の負傷が回復したばかりの)ディオゴ・ジョッタはスタメンに不適当で、(筋肉異常の)ロベルト・フィルミーノは欠場。つまり、モハメド・サラーとサディオ・マネだけでプレーすることになっただろう。ミナミノとオリギは、主力2人のレベルにはない。しかし、ディアスは同レベルにあった」

OBからの評価は厳しいものの、まだ全てのコンペティションでタイトル獲得の可能性を残しているリバプールにはこの先もハードスケジュールが待ち受けており、前線の戦力が全て揃いつつある中でも、南野に出番は訪れるだろう。そこで、カラバオ杯同様に自らの有用性を示すことが期待される。

構成●THE DIGEST編集部

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