最高の一瞬『衝撃の引退発表』元プロサッカー選手・中村憲剛

 

 

中村憲剛さんが2024年12月14日に引退試合を行いました。

Jリーグの川崎フロンターレで2003年からプレーしてきた中村憲剛選手が引退したのは、コロナ禍の2020年でした。

あの頃の取材はマスク着用と、取材日の14日前からの体温チェックが必須でした。当日もスタジアムに入る際は体温チェックがありました。夏場はスタジアムに到着すると外気温で体温が上昇していて、非接触体温計で測定すると体温が37度を超えていることもありました。その時は涼しいところで少し落ち着いてから、再度体温を測り直して入場することができました。

観客席も座席の間隔をあけて座るようになり、入場制限もありました。声出し応援ができなくて、お客さんが入っていても、リモートマッチのような静かな雰囲気だったことを覚えています。

中村選手は2019年11月のプレー中のケガにより、手術とリハビリを経て2020年8月29日の試合から復帰してました。私が復帰後に印象に残った試合は、10月31日のFC東京戦です。

写真のうちの一つは、後半に中村選手がゴールを決めたときの写真です。カメラポジションとは反対側のゴールシーンとなりました。このときは前後半ともにフロンターレの攻めを狙いたかったのですが、コロナ禍でカメラポジションが事前に決められていて、動くことができなかったのです。

ただ、中村選手自身の40歳の誕生日に決めたバースデーゴールとなり、感動的なシーンでした。ふわっとした左足シュートが、キーパーの頭上を越えてゴールネットを揺らしました。写真の左側にはパスを出して倒れこむ三笘薫選手が写っているのも、良い記録になりました。ゴール後のパフォーマンスも中村選手らしいなあと感じました。

そしてこのゴールの翌日に、なんと中村選手はそのシーズン限りで現役引退すると発表したのです。前日にすごい活躍をしていただけに、驚いたことを覚えてます。この2020年は中村選手の活躍もあり、川崎は3度目のJ1リーグ優勝を決めました。

日本代表では2010年のワールドカップ南アフリカ大会にも出場し、ドリブルやパスで輝くプレーを見せてくれました。

S級コーチライセンスも取得し、近い将来監督として戦う姿が見られそうです。
 

 

 

▼高橋 学(たかはし・まなぶ)

1975年、福島県福島市生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より(有)ジャパンスポーツで実績を重ねてフリーランスに。現在はサッカー、フットサル、陸上、フィギュアスケートなど様々なスポーツを取材している。

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