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2季ぶり栄冠で涙 地元ファン熱狂の“ネリー劇場”「すべての勝利にはストーリーがある」

ネリー・コルダが地元ファンの前で2年ぶりVを果たした(撮影:GettyImages)

<LPGAドライブオン選手権 最終日◇28日◇ブレーデントンCC(フロリダ州)◇6557ヤード・パー71>

ギャラリーの大歓声を一身に受けた。地元ブレーデントン出身のネリー・コルダ(米国)がプレーオフを制し、1年2カ月ぶりのツアー通算9勝目。「一進一退の激しい試合だった。今はまだ信じられない」。“ネリー劇場”の果てに栄冠をつかんだ。

コースにいた誰もが、『ネリーの優勝はない』と思ったかもしれない。1つ落として迎えた後半14番からボギー、ダブルボギー、ボギーを喫し、なんと3ホールで4つスコアを落とす大乱調。スタート時に4打あったリードは消滅し、単独首位のリディア・コ(ニュージーランド)とは3打のビハインドを負った。

「リディアに追いつくためには、信じられないようなフィニッシュをしなければならないと思っていた」。背水の陣で挑んだ上がり2ホールで本領を発揮した。17番パー5では「完璧だった」という2打目でグリーンを捉えて、約8メートルのイーグルパットを沈めた。最難関の18番パー4では7番アイアンで放ったセカンドショットをベタピンにつけた。続くバーディパットをしっかりと決めると、ギャラリーから大歓声。プレーオフへと持ち込んだ。

延長戦はともに1ホール目をパー。2ホール目では難しい奥からのアプローチを約1メートルに寄せると、パーパットを外したリディアを尻目にウィニングパットをねじ込んだ。地元ギャラリーから大喝采。右拳を力強く握ってファンの声援に応えると、ネリーの目には歓喜の涙が浮かんでいた。

昨年は何度も優勝争いに絡みながら、タイトルをつかむことはできなかった。ホームタウンで挙げたこの2年ぶりVは、長いシーズンを戦う上で大きな推進力になる。

「すべての勝利にはストーリーがある。苦戦を強いられていて、完全に自分を見失ったと思っていた。地元からの応援は信じられないものだった。みんなのポジティブなエネルギーなしには成し遂げられなかった」

元世界1位のストーリーに新たな1ページが刻まれた。

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