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スイング改造の合言葉『右ひじたか~く』 渋野日向子は今季初戦でアンダー発進も「まだやることが多すぎる」

ファンの歓声に手を上げて応える渋野日向子(撮影:福田文平)

<ホンダLPGAタイランド 初日◇23日◇サイアムCC パタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>

「まだやることが多すぎて、理想のスイングはまったくできていない。コントロールも全然」。今季初ラウンドを終えた渋野日向子は、オフに取り組んできた課題についてこう振り返った。ティショットで左へのミスや、フェアウェイをキープしても「右にも高くて、キモいボールが行っていることが多かった」という部分がひっかかった。

2020年まで指導を受けていた青木翔コーチに再び教えを請い、「スイング全般」を見直して臨むシーズン。もちろんすぐに完成するものでもなく、渋野自身、このアジアシリーズを「勉強の2週間」に位置づける。最終18番のパー5で、3打目を1.5メートルにつけ大歓声を引き出すバーディ締めで2アンダーにまとめた。それでも「全然ダメ。そのなかでごまかしごまかしという感じ。まだ距離感の把握もできていないし、後半の疲れ具合や風にも合わせられず(狙いより)手前や、奥に飛ぶこともあった。やることはたくさんありますね」という結果を受け止める。

フェアウェイキープはパー3を除く14ホール中11ホールで、パーオンは18ホール中15ホールと数値はまずまずといえる。ただ、外してはいけない場所に外してのボギーなども見受けられたことなども、そういった評価をくだす要因になる。今は「ゴルフをしながら」一つひとつ克服していく、という段階となる。

その理想のスイングを目指すうえで、青木コーチから授けられた言葉を唱えながらコースを回っている。それが『右ひじたか~く』。これはクラブがトップまで上がった時のひじの位置を高くして、右脇が閉じることなどを防ぐアドバイスだという。ただ「全然ダメ」と、この点でも納得はいかない様子。「難しいので徐々に。試合でもやっていかんと、できるようにならない。おおげさにやらんと」と、これもしっかりと体に染み込ませていく。

序盤はパットの距離感も合わず、何度もシビアなパーパットを沈めながら歩みを進めた。4番で3パットのボギーが先に来たが、8番では7メートルのバーディパットがカップをなめた後に決まりイーブンに戻した。後半は12番からバーディ、ボギー、バーディと一進一退の攻防。そして18番でいいショットをピンに絡めてバーディを奪い、首位と5打差の38位タイに踏みとどまった。

「(シーズンの)初っ端なんで、ある程度アンダーで回りたいという気持ちもあった。なんとかなった」。ここから一歩ずつ“やりたいゴルフ”のためのスイングに近づけていく。(文・間宮輝憲)

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