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リヴァプール・南野拓実。ベトナム戦で期待される直線的なプレー #daihyo #LFC

反復練習が切り開くW杯への道

この姿勢は今も変わらない。C大阪U-18、C大阪、ザルツブルグ、リヴァプールとプレーするステージは大きく上がっている。その中でも南野は南野らしく、かつ進化を遂げられているのは、ずっと打ち込んできたこの反復の日々があるからこそ。

「僕の中でペナルティエリア内はある意味『身体を投げ出してシュートに行く場所』なんです。だからこそ、スピードが求められる。カウンターでもレベルの高いチームにいけばいくほど、本当に『直線的』に来るんです」

「いかにいち早く前に運ぶために、縦の動きで相手を剥がして行きながら、スピードを落とさないでシュートまで持ち込めるか。それはザルツブルクでも同じで、カウンターのときはみんな自分が点を獲りたいので、膨らみすぎたらゴールの可能性が低くなってしまう。だからこそ中へ直線的に動いていくし、ファーストタッチも少しでも一歩でも前に出られるようにプレーするんです」

「最後は個の能力が絶対に必要になってきます。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントの試合であっても、個で決めてしまうシーンがある。僕が目指している場所にいくためにも、個で打開出来る選手は絶対に必要とされるので、それを上げるためにはどうするかを日々考えています」

ザルツブルグ時代、南野はこう語っていたように、直線的にゴールに突き進む姿勢はヨーロッパに来てさらにその重要性を学んだ。それを日本代表として真価として発揮するのがカタールW杯だ。アジア最終予選の最終戦となるホーム・ベトナム戦前の会見で南野はこう口にした。

「直線的にゴールに向かって行くことは個人的にも意識している部分。そのためのスプリント、どういうコースでランニングをするのか、ボールを持った時にどれだけ前に向かってプレーするのかは常に意識をしています」

ベトナム戦が終われば、彼は再び世界トップレベルの競争の世界に戻る。

「チームに帰っても常にチャンスがあるわけではないので、その少ないチャンスをものにする力が大事。インテンシティの部分は非常に高いリーグなので、ここでの経験は次、W杯で世界レベルの相手と対戦する時に必要な要素になると思うので、コンスタントに試合に出られるようにアピールをしていきたいです」

11月に向けて、そして目の前の大きな壁に向かって。南野拓実はより直線的な強度とスピードを磨き上げて、カタールの地で躍動をしてくれるはずだ。

■プロフィール
安藤隆人(あんどう・たかひと)

1978年2月9日生まれ。岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに転身。大学1年から全国各地に足を伸ばし、育成年代の取材活動をスタート。本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、柴崎岳、南野拓実などを中学、高校時代から密着取材してきた。国内だけでなく、海外サッカーにも精力的に取材をし、これまで40カ国を訪問している。2013年~2014年には『週刊少年ジャンプ』で1年間連載を持った。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)など。

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