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絶対的な存在となった冨安健洋に現地メディア、OBから賛辞続々!アーセナルはバックアッパーの獲得を検討か

レギュラーに定着し、安定感抜群のプレーを続ける冨安は高く評価されている。(C)Getty Images
今季、夏の移籍市場最終日にボローニャからアーセナルへの移籍を果たした冨安健洋。プレミアリーグ第4節ノリッジ戦で、短い準備期間ながらもいきなりスタメンで新天地デビューを飾ると、堅固な守備と積極的な攻撃参加を武器に、すぐに不動の右SBとして君臨し、15試合連続先発出場を果たした。

12月18日に行なわれた18節リーズ戦の途中でピッチに座り込んで右足を気にし、そのままピッチを後にした冨安の容態について、ミケル・アルテタは試合後に筋肉系のトラブルだろうと見解を示し、「彼には大きな負担がかかっていた。チーム加入以来、毎試合に出場しており、今週も少し苦しんでいた」と語っていたが、ここからもいかに指揮官がこの日本人選手に信頼を置いていたかが窺える。

「ガナーズ」にとって不可欠な存在となった冨安について、現地メディアもここまでの安定したチームへの貢献ぶりを評価。サッカー専門サイト『football.london』は「トミヤスは素晴らしい」と改めて称賛し、彼の加入が決まった際、狙っていたバルセロナのエメルソン・ロイヤルをトッテナムに奪われたことで、「あまり知られていない日本代表DF」と契約したというネガティブな風潮の中で、彼に対してはCBという認識が強く、SBとしては「期待は低かった」と綴っている。
「それから時が経ち、何を心配する必要があったのだろうか? トミヤスは絶対的なセンセーションを巻き起こした。守備において高さで自信を見せつけ、攻撃でも危険なほどの影響力を示している。両足でボールを扱える能力で、アーセナルのボールポゼッションを高め、チャンスを増やし、さらに最後尾でのプレーではチーム全体の能力を完全に引き上げた。彼はアーセン・ヴェンゲル時代以降の最高の補強である。入団時に我々が認識を誤ったことを、これほど嬉しく思ったことはない」

日刊紙『Evening Standard』は、今季のアーセナルを評価する記事において、「アーロン・ラムズデイル、ベン・ホワイト、そしてトミヤスら、守備の核となる選手は、今夏に知り合ったばかりであり、今後に向けてさらに見る者をワクワクさせる。1シーズンを通した時、彼らはどれだけ良くなるだろうか?」、『The Guardian』も「ヌーノ・タバレス、ホワイトらとともに、良い形でチームに落ち着いた」と、早期でチームにフィットしたことを高く評している。
また、スポーツ専門サイト『SPORTING LIFE』は、プレミアリーグにおける今年の監督ランキングでアルテタ監督を5位に選出し、その寸評の中で「ラムズデイル、ホワイト、マルティン・ウーデゴー、そしてトミヤスが、ジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ)から着想を得た戦術を実施するために必要な最期の要素を、アルテタ監督に提供した」と、新加入選手の貢献ぶりを紹介した。

アーセナルOBでも、レイ・パーラーはラジオ局『talkSPORT』で「アルテタ監督は幾人かの選手をチームに連れてきたが、トミヤスの右SBとしての補強はファンタスティックなものだった」と賛辞を贈り、マーティン・キーオンは冨安を含む守備陣について「(CBとして)コンビを組んだホワイトとガブリエウ・マガリャンイス、これに特別な存在としてトミヤスが加わり、(左SBの)キーラン・ティアニーが復帰、そしてその背後に傑出したGKラムズデイルが控える非常に良い布陣」と評価している。

専門サイト『THE BOOT ROOM』は、ちょうど1年前のチームとの比較で現在の充実ぶりを表現。昨年12月19日にエバートンに1-2で敗れたアーセナルは当時、直近7試合で2分け5敗という悲惨な成績により15位まで沈んで降格も危ぶまれる状態であり、4位という高順位につけている今季とはあまりに対照的である。

また、同メディアは当時のメンバー(GKベルント・レノ、DFロブ・ホールディング、ダビド・ルイス、ティアニー、エインズリー・メイトランド=ナイルズ、MFダニ・セバージョス、モハメド・エルネニー、ブカヨ・サカ、FWニコラス・ペペ、エディー・エンケティア、ウィリアン)を紹介し、「現在のチームの方が、見ると自信が増す布陣だ」と綴り、冨安にも「ホワイトとともに4バックの不動の存在となった」と言及した。

これほど高く評価される冨安が負傷したことは、アーセナルにとって“有事”であり、『football.london』は、クラブが現在の右SBのオプションであるセドリク・ソアレス、カラム・チェンバース、メイトランド=ナイルズでは、冨安の穴を埋めることはできないと考えていると報道。同メディアも、カラバオ杯準々決勝で右SBを務めたセドリクに対しても、「不安で無防備であり、相手の攻撃陣から確実に狙われる」と、そのプレーを酷評した。

そのため、冬の移籍市場での補強が必要であるとして、ヨアキム・メーレ(アタランタ/デンマーク代表)、ラスムス・クリステンセン(レッドブル・ザルツブルク/デンマーク代表)、ジョアン・マリオ(ベンフィカ/ポルトガル代表)らの名を「トミヤスのバックアッパー候補」として挙げている。

構成●THE DIGEST編集部

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