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「キャリアで最も重要なゴール」劇的同点弾の南野拓実にチーム内外から賛辞! “PK失敗”に地元紙は「言わぬが花」

カラバオ・カップ準々決勝戦で劇的な同点弾を決めた南野。クロップ監督も「最高のパフォーマンスを見せてくれた」と称賛している。(C)Getty Images
現地時間12月22日、カラバオ・カップ準々決勝が行なわれ、リバプールはPK戦の末にレスターを下し、次ラウンドでのアーセナル戦が決まった。

本拠地アンフィールドでの一戦は、試合開始13分までにジェイミー・ヴァーディーの2ゴールを浴び、アレックス・オクスレイド=チェンバレンが1点を返したものの、33分にジェームズ・マディソンの鋭いミドルで再び2点差とされる。「レッズ」にとっては非常に厳しい展開となったが、攻勢を維持して迎えた68分、敵陣でのパスワークから交代出場のディオゴ・ジョッタがゴール。ホームチームの勢いを高める重要なゴールを、巧みなラストパスでお膳立てしたのが南野拓実だった。

チャンピオンズ・リーグのミラン戦以来、公式戦3試合ぶりの先発出場を果たした南野は、さらに後半アディショナルタイム5分、ジェームズ・ミルナーのクロスを胸でトラップし、浮き球をかぶせるように右足で叩いてゴール右隅に決め、チームを敗戦から救い出した。

同カップではこれまで2試合で3ゴールを決めていた南野が、ここでも強さを示して大仕事を果たした。PK戦では、5人目として決めれば勝利の場面でシュートがクロスバーを越えたが、GKクィービーン・ケレハーの2人を止める活躍で勝利を祝った。 試合後、SNSに劇的な同点ゴールの場面の連続写真を投稿して喜びを表わした26歳の日本人アタッカーに対し、ユルゲン・クロップ監督は「タキは最高のゴール、最高のパフォーマンスを見せてくれた」「今日の彼のプレーは、本当に良かった」と賛辞を贈った。

「タキにとっても、我々にとっても、素晴らしいゴールであり、重要かつ最高のタイミングでのゴールだった。彼はこの得点に相応しい。今夜、彼がやった全てのこと、そしてここ数か月、数年で彼がやってきた全てのことが、このゴールで報われた。だから、私は本当に満足だ」

また、PK戦のヒーローとなった守護神ケレハーも、「間違いなく素晴らしいフィニッシュだった。これまでもそうだったように、今回も彼がゴールを決めることを期待していたが、それはおそらく最後のチャンスだった。それでも彼は、とても落ち着いていた。本当に素晴らしかった」と、もうひとりの“救世主”を称賛している。 現地メディアの報道を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「(ジョッタの得点場面では)ミナミノの完璧なお膳立てでリバプールに希望がもたらされた」「ミナミノの土壇場での同点弾が、レスターとのスリル満点の戦をPK戦に持ち込んだ」とポジティブに記述。一方、英国公共放送『BBC』はPK失敗に言及し、「クロップ監督に見過ごされがちな日本のスターは、ヒーローになるチャンスがあったが、シュートはクロスバーを越えた」と伝えた。

リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は「前半はあまり試合に入り込めず、幾つかあったチャンスを決められなかった。対して後半は活気づき、劇的な同点弾を決めた他、その前にはジョッタのゴールもアシストした。PK戦での仕事については…言わぬが花である」と、目に見える結果を残したことを評価し、11メートルの対決での失敗には“目を瞑る”姿勢を示している。

チームを敗戦から救うゴールを決めたことを高く評価するメディアは多く、スポーツ専門サイト『sportskeeda』は10点満点の採点でチーム最高タイの「7.5」を与え、「かなりのチャンスを逃していたが、95分にPK戦に持ち込む同点ゴールを決めて挽回した」と記述。サッカー専門サイト『90min』は及第点の「6」だったが、寸評は「光る場面はあったが、常にプレーに関与できていたわけではなかった。しかし、敗戦間際に試合をPK戦に持ち込んだことで、名誉を回復した」とポジティブなものとなった。

リバプールの専門メディアでは、『THIS IS ANFIELD』は「8」の高採点で、「コップ(ホームチームの応援席)の前での素晴らしいボールコントロールとフィニッシュ。ロベルト・フィルミーノの助けを得て、ジョッタに美しいタッチの後にスルーパスを通した後、今後は劇的な方法で自身のゴールを決めた」。『FanNation』は「リバプールでのキャリアにおいて最も重要なゴール」「PKを決めていればなお良かった」と、良い点悪い点両方に言及し、採点は及第点の「6」としている。 また、『TAW』の採点は「7」で、前半のプレーを「十分なものではなく、チームメイトと比べても働きが足りなかった」と厳しく評価。一方で同点弾に対しては「素晴らしいボールタッチによる、何というフィニッシュ! PK失敗は不運だったが、勝利の後では、誰がそれを気にするだろうか?」と賛辞を惜しまなかった。

ちなみに、対戦相手レスターのレジェンドであり、今でもこのクラブを愛する名物コメンテーターのガリー・リネカーは、自身のSNSに「私はサッカーを愛しているが、時々、嫌いになる」と投稿。往年の名ストライカーにこう言わしめるほど、南野の同点弾は劇的であるとともに、対戦相手にとってはあまりにショッキングで、ダメージを与えるものだったようだ。

なお、勝ち上がったリバプールは、年明けの1月5日、冨安健洋を擁するアーセナルと敵地エミレーツで決勝行きのチケットを争う。

構成●THE DIGEST編集部

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