これなら誰でも簡単!アウトドアシューズの汚れを落として、撥水性能を高めるお手入れのコツ
外遊びの快適さを左右するアウトドアシューズ。自然のフィールドでは、当日に雨が降っていなくても「ぬかるみ」と「汚れ」とは無縁でいられません。とはいえ、メンテナンスの方法をネットで調べてみても、方法はさまざま。そこで「誰でも簡単にできるお手入れ方法」について、登山靴で有名な老舗アウトドアシューズブランドの方に教えてもらいました!
アウトドアでも靴の手入れが不可欠なワケ
避けられないぬかるみと泥汚れ
出典:PIXTA
自然の中で楽しむキャンプや登山で、避けられないのが雨。当日に天気が良くても、前日までの雨でぬかるんでいるサイトや登山道に遭遇することは頻繁にあり、靴が汚れることは避けられません。どんなに高機能なシューズであっても、汚れがついたままでは本来の機能が発揮できず、宝の持ち腐れに。そこで、有名アウトドアシューズブランド・キャラバンで広報をつとめる井原さんに相談し、知っているようで知らない、お手入れ方法を聞きました!
準備はこれだけ(簡単編)
【用意するもの】
・Grangers(グランジャーズ)/ギアクリーナー(洗浄剤)
・Grangers(グランジャーズ)/FWリペル(撥水剤)
・ブラシ
・水洗いするためのバケツやたらい
ブラシは、ナイロンの毛足で、約3cmで柔らかめを推奨。硬さとしては、歯ブラシと同じもの、使い古した歯ブラシでも大丈夫です」。気をつけたいのは、硬さ。「上履きを洗うような、たわしみたいな硬さのものは汚れが落ちやすいのは事実ですが、縫製部分の糸切れやアッパー素材を傷めることにもなるので、おすすめできません。使うにしても靴底などのラバー系の部分にとどめてほしいですね」。
撥水性が落ち、水を弾かずに染み込んでいく…
今回、お手入れをする前に、試しに水をかけてみると、表地にすぐに浸透。まったく撥水していないことが分かります。 どんなに高価な靴であっても、使っているうちに撥水性は落ちてしまうもの。今回お手入れした靴は、防水透湿素材のゴアテックスを使用しているので、「水は内部にまでは浸入しないし、撥水性は気にしなくてもいいのでは?」と思ってしまいます。しかし、井原さんは表地の撥水性が重要である理由について次のように語ってくれました。
「表面の素材だけでなく履き口やベロ部内に使用されているクッション材などは、すべてゴアテックス・メンブレンの外側にあるので、表面で水を弾いていないとすぐに水分を吸ってしまい、靴が重くなるだけでなく、ゴアの透湿性が失われ、余計に蒸れてしまいます。それだけに、登山やキャンプで使うシューズの撥水性は定期的なメンテナンスが必要です」。
これなら簡単、お手入れのポイントを公開!
【ポイント1】大きな汚れはまずブラシでとる
泥に覆われた靴は、さっそく水でジャブジャブと洗うのかと思いきや、井原さんが一言。「実は水洗いをしないでいいなら、それにこしたことはありません」。
というのも、ブラッシングで汚れが十分に落ちるのならば、全体的に濡れぞうきんや部分洗いで済ましたほうが、靴へのダメージは少なく、素材の劣化も軽減できます。
「水に濡れた素材は劣化しやすく、特に本革のブーツなら、伸縮につながって傷みやすくなります。そもそも、濡れて泥だらけのものを、いきなり洗おうとすると、洗い場も靴もドロドロの状態になって大変。靴の表面が乾いている状態なら、落とせる汚れは、まずブラシできれいにするのが鉄則です」。
【ポイント2】靴内に水が入らないように注意
履き口に水が入らないようにしながら、表面を全体的に濡らしていきます。中に水が入ってしまうと乾きにくいので、 新聞紙などをあらかじめ詰めておくのも有効な方法です。ポタポタと水が垂れない程度の湿った状態にします。
【ポイント3】クリーナーで汚れを落とす
▲軽めの力加減でブラッシング
クリーナーは全体的にかかるように吹きかけてから、ブラシでこすっていきます。「力いっぱいより手加減しながら、歯磨きと同じぐらいの感じでブラッシングしてください」。靴底は泥が詰まっているなら、濡らす前にとりますが、取りきれていない部分もヘラやブラシで削ぎ落とします。
【ポイント4】洗剤成分をしっかり洗い流す
泡立つようにブラッシングし、一通り洗ったら水で流します。「洗剤の成分が残ってしまうと、この後の撥水剤の塗布に影響するので、十分に落とす必要があります。泡立ちが無くなるまでしっかり洗い流しましょう」。その後、靴を振ったりしながら、できるだけ水気をとります。
【ポイント5】撥水剤は濡れた状態で
撥水剤を全面に均等に吹きかけていきます。ここで井原さんからワンポイント。「一般的なスプレータイプは濡れたものに吹きかけても撥水剤が定着せず、相性が良くありません。一方、グランジャーズの撥水剤(FWリペル)は水性タイプなので表面が濡れた状態のままで、吹きつけることができ、乳白色の液剤もなじんで、白い色が表面に出てきません」。1回目に吹きかけた撥水剤が十分なじんだら、様子を見ながら、もう一回吹きかけて定着させていきます。
【ポイント6】乾燥は日陰干しで
吹き掛けた後に、白く残るつま先などのラバー部分や金具は、きれいな布やティッシュで余計に残っている撥水剤液はぬぐいます。乾燥は、風通しの良い場所で日陰干し。天日干しをするとナイロン素材が色あせたり、合成皮革や本革などが劣化しやすくなるので注意が必要。特に、本革の場合はひび割れを起こす原因にもなってしまいます。
シューレースも洗うことを忘れずに。ギアクリーナーで手もみ洗いします。
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