チリーズ(Chiliz)が描くファンマーケティングの未来|第1回「NFT」後編
スポーツビジネスに新しい風を吹き込んだ「スポーツ×NFT」「スポーツ×ブロックチェーン」。
最新テクノロジーを用いたファンマーケティングの手法に、多くのスポーツファンや関係者が期待を寄せている。そんななか昨年、名門サッカークラブ・FCバルセロナが初のファントークン(代替通貨)を販売、即日完売となったことが大きな話題となった。
販売を行ったのは、スポーツチームとファンをテックの力でつなぐ会社、「Chiliz.Net」(以下、チリーズ)だ。チリーズはスポーツトークンを通じてどんな未来を創っていこうとしているのだろうか?「NFT」にとってもファンマーケティングの未来は重要な分野なので、今回はチリーズを深堀りしていく。
中編:世界中でバズっている「NBA Top Shot」ってなに?
後編:チリーズ(Chiliz)が描くファンマーケティングの未来
所長:ほたるくん、前回までにNFTについて勉強してもらったね。今回はそんなキミに、スポーツの世界で今話題になっている「ファントークン」について話そうと思う。
助手:わーっ! 上野所長のお話とっても面白かったです! ところで、その「ファントークン」ってなんですか?
所長:そもそも「トークン」とは「硬貨の代わりに使われる代用貨幣」のことなんだ。「ファントークン」とは、その名の通りでファンのためのトークン。スポーツチームとファンをつなぐ新しいサービスだと思ってもらっていい。
助手:なんだか面白そう、ファントークン! 実際に発行しているスポーツチームはあるんですか?
所長:いい質問だね! 昨年、ファントークンを発行したことで世界的なニュースになったのが、FCバルセロナ。チリーズという会社がトークン販売を担っているんだ。
助手:FCバルセロナなんて超有名チームじゃないですか! でも、ファントークンって手に入ってもどうやって使うのですか?
所長:発行しているチームによって方法は違うけれど、それぞれがトークンだからこそできる工夫をいろいろと生み出している。これが面白いんだ! チリーズが運営しているファントークンは、クラブチームで開催されるファン投票イベントに参加する時に使えたり、サービス内で提供されている限定アプリ機能に利用できるんだよ。しかも、一度買ったファントークンは自分から手放さない限りなくならないから、ずっとチームを応援し続けられる仕組みなんだ。
助手:なくならない? お得ですね!
所長:チームはファントークンによって新しい収益源を得られるし、発生するイベントの結果をもとにファンの意見やデータを集めることができる。ファンが求めているサービスについて、より詳しいデータを集められる。ファントークンを使うことが、ファンとチームの新しいコミュニケーションになるというわけ。
助手:ファントークンを使うことで、お金を払うよりも、チームとファンの絆をより深められる! すごいなぁ、ファントークン。日本にはファントークンを導入しているスポーツチームはないんですか?
所長:最近ではJリーグの「湘南ベルマーレ」が「湘南ベルマーレトークン」を発行したんだ。日本にもFiNANCiE(フィナンシェ)という有望な会社があって、そこが発行していて、国内のプロスポーツチームでは初の試みとなった。それ以降、「Y.S.C.C.横浜」や「SHIBUYA CITY FC」、「南葛SC」なども次々にトークンを発行して話題を集めているね。
助手:へぇ、フィナンシェ! すでにそんな試みが始まっているんですね!
所長:うん。日本では「ブロックチェーン」や「トークン」などの言葉に馴染みがないから、海外に比べると普及するまでにまだまだ時間がかかりそうだけど、それだけに今後の発展が楽しみだ。可能性を感じるね。
助手:ファントークンが普及して、日本のスポーツがもっともっと面白くなったらいいですね!
所長:そうだね! FCバルセロナのファントークンを運営するチリーズは、「Be more than a fan(ファン以上になろう)」という目標を掲げている。エンターテイメントとしてのスポーツをさらにスピーディに、スポーツチームからファンに届けるのが、ファントークンの役割。今回のチリーズの話題をきっかけに、ファントークンが日本でもより広がっていくといいね!
中編:世界中でバズっている「NBA Top Shot」ってなに?
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Twitter:@kosyo0821
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