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【#10】ドライバー地獄道 3つの作戦を考案

ゴルフにおけるドライバーの存在は、ドラクエに出てくる中ボスに似ています。逃げようとしても逃げられない。何度逃げても「しかしまわりこまれてしまった!」となる。ああ、結局これと戦わないといけないんですね、はいはい、わかりましたよ、一回全滅しますけどね、というあの絶望感。結局、ドライバーを打てないとゴルフが始まらないので、やるしかないということになるのです。

ある時期から、私はドライバー主体の練習に切り替えました。もともとは基本練習として主にアイアンを打っていたのですが、ドライバーの苦手意識を克服しないことには話にならない。とにかく優先的にドライバーを振り続けました。

もちろん、ただダラダラと練習するだけでは意味がない。ドライバーを打てるようになるために私が取り入れた3つの作戦を紹介します。

3つの作戦とは…?

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写真:west

その1、小さく打つ。本来ドライバーは飛距離を稼ぐために大きく振るクラブなのですが、まともに当たらないのでは意味がない。そんなわけで、実際のコースでは、とにかく短めに持ち、足幅もやや狭く構えて、小さい振りで打つ、というのを試したことがありました。

これをやると、大きく振るよりも飛距離は出ないものの、まともに当たって飛ぶ可能性は高くなるのではないか、というわけです。もともとドライバーは飛ぶように作られているクラブなので、小さいスイングでもそこそこは飛距離が出るはずなのです。

しかし、この作戦はすぐに断念しました。小さい振りでもミスの確率はあんまり変わらなかったからです。多少は打ちやすくなるのかと思いきや、小さいスイングでは小さいなりのミスが出る。結局、打てないことには変わりがない。

はい、これなんですよね。行くも地獄、戻るも地獄のドライバー地獄道。飛距離をあきらめて「これなら行けるかな」というやり方を考えても、それすら成功しない。志望校のレベルを思いきり下げたのに受験に落ちるみたいなものです。だめぽ、むりぽ。

その2、ドライバー買い替え作戦。俺が悪いんじゃない、道具が悪いんだ。はい、追い詰められたへなちょこゴルファーがたどり着く典型的な思考回路ですね。最初は初心者用のクラブセットに入っていたドライバーを使っていたのですが、これが良くないんじゃないかと思い始めました。

何しろ、噂によると、世の中には「曲がらないドライバー」というのがあるらしい。それを使えばあら不思議、普通に打つだけなのにボールが曲がらずまっすぐ飛ぶようになるというのです。右に大きく曲がるスライスに悩まされていた私にとってはまさに福音でした。

「いつ買うの?今でしょ!」と頭の中の林修先生が叫んだ瞬間、私は中古ゴルフショップのウェブサイトの購入ボタンをクリックしていました。そして、数日後に自宅に届いた「曲がらないドライバー」をさっそく練習で使ってみました。

その結果は……めっちゃ曲がるんですけど。曲がりすぎて草。当たり前ですが道具が変わっただけでそんなに急に上手くいくはずがない。もちろん、ある程度は打ちやすくなった気がするし、ほんのわずかに曲がりを抑えられているような気もする。でも、曲がるものは曲がる。最近の与党ぐらい右に傾いていくばかりです(たまには世相も斬るよ)。

まあ、このドライバーは今でも使ってますし、いいものだとは思います。ただ、これさえあればすべて解決、なんてことはなかったんですよね。

その3、右足下げアドレス。これはしつこいスライスを防ぐための禁断の秘技です。構えるときに通常は両足を結んだラインを打ちたい方向に向けるものですが、そこからあえて右足を少し下げて構えてみる。これをやると、クラブが内側から入りやすくなり、強制的にボールが右に曲がるのを防げるというのです。

これは良かった。単純な方法だけに即効性がありました。たしかにほとんど右に曲がらなくなる。それどころか、ちょうどまっすぐ飛ぶ当たりもちょこちょこ出るようになりました。

さらに、地道に練習を続けているうちに、上手く当たった感触がしたときには、ボールが少し左に曲がることが増えるようになりました。ここで右足下げアドレスをやめて、まっすぐに戻してみると、なんと、まっすぐ飛ぶようになっている!

これができたのがつい数日前のことなので、どこまで定着するかわかりませんが、スライス祭りを終わらせる糸口をつかむことはできました。

右に曲がる一方の政権の暴走を止められるのは、国民の皆さんが投じる本気の一票だけなのです。……なんそれ!

>>【連載】連載:ラリー遠田の「ゴルフ沼へようこそ」〜日本一不器用な初心者ゴルファー奮闘記〜

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