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2年前は11本で初Vのパグンサン 2勝目王手の今週は14本“総とっかえ”

ウッキウキのパグンサン。2年ぶりVは目前だ。(撮影:上山敬太)

<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 3日目◇20日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)>

2年ぶりツアー2勝目を目指すジュビック・パグンサン(フィリピン)は、7バーディ・1ボギーの「64」でラウンド。トータル19アンダーまで伸ばし、2位の蝉川泰果に1打のリードをもって単独首位で最終日を迎える。

日本ツアー本格参戦10年目となった2021年の「~全英への道~ミズノオープン」で日本初優勝を遂げたパグンサン。過去7度の2位を経験したが、43歳になってようやく勝利を手にした。当時は、キャディバッグを担ぐセルフプレー。“省エネ”を重視してアイアンを4本(3、4、6、8番)抜き、19度のユーティリティを入れる11本で戦っていたことはゴルフファンの記憶に新しい。

今回はセルフ用の電動カートを使用しており、キャディバッグにはしっかり14本クラブが収まっている。しかし、よく見るとどれもピカピカの新品だった。パグンサンに尋ねると「今週14本全部替えたんです。オールニュー!」と満面の笑みを見せる。

昨年までは別のメーカーのモノを使っていたが、今年からタイトリストからクラブ提供を受けるようになった。前戦の「中日クラウンズ」までは、ウッド系はタイトリストの<TSi>シリーズでそろえ、アイアンは昨年のモノを使用していた。しかし、今週の練習日にタイトリストの新しいモデルをテストすると「打った感触がすごく良かったんだ」と、ウッド系は<TSR2>、アイアンは4番と5番が<T200>、6番から下は<620CB>として、ウェッジもパターも新調した。

当然、性能も違うため、手に馴染む距離感もまた違う。「その通りで、やっぱり自分が思ったような距離感とは少しズレることもある。だけど、ミスヒットをしてもしっかりグリーン周りまで飛んでくれるので、グリーンを外してもパーを拾いやすい。そのやさしさが気に入ったんだ」。いいショットのときの感触はもちろんだが、ミスショットに寛容な新クラブに信頼を寄せる。

実際に2日目のパーオン率は50パーセントだったが、18ホールで19回とこちらも新調したパットが冴えて「63」。この日も「引き続きいい感触」と出だしの1番こそボギーとしたが、その後は安定したゲーム運びで7バーディを奪って「64」をマークした。最終組で同組となった蝉川とバーディ合戦を展開した。

プロゴルファーといえども、練習と試合では力感が変わるため、思ったようなボールが打てないこともある。そのため新モデルの投入は慎重になる選手が多いが、パグンサンは大胆にも14本すべてを入れ替えた。初優勝時は11本という本数に驚かされたが、今回は14本すべて新モデルでV争い。ギアにまつわる話題が尽きない。

新調したウェッジには「J11」と刻印されている。「ジュビックのJと、11は僕の誕生日が5月11日だから。先週誕生日で45歳になったんだよ」。2年ぶりの勝利で1週遅れの誕生日を祝いたい。

【ジュビッグ・パグンサンのクラブセッティング】
1W:タイトリスト TSR2(9度/ツアーAD CQ 5X)
FW:タイトリスト TSR2(13.5度、18度)
U:タイトリスト TSR2(24度)
4、5I:タイトリスト T200
6~PW:タイトリスト 620CB
52、58度:ボーケイ SM9
PT:スコッティキャメロン プロトタイプ

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