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山田愛が女子選手として初めてオーストラリアリーグへ参戦!「勇気を与えられるように頑張りたい」<DUNKSHOOT>

山田は高校、実業団と日本のトップチームで優勝を経験し、今季からオーストラリアリーグでプレーする。(写真は本人提供)
3月12日、プロバスケットボールプレーヤーの山田愛が、オーストラリアのプロリーグ(以下、NBL1)に所属する「Albury Wodonga Bandits(オルベリー・ウォドンガ・バンディッツ)」と契約を結んだことを発表した。

三重県四日市市出身の山田は、桜花学園高校(愛知県)で全国制覇、WリーグではJX-ENEOS(現ENEOS)サンフラワーズの一員として日本の頂点に立った経験を持つ170センチのポイントガード。

山田は2019年にサンフラワーズを退団。翌20年に同チームと契約を結ぶも、新型コロナウイルスのパンデミックによってNBL1が開催されず。21年にも契約したのだが、この時はコロナで入国許可が下りず、2年連続でプレーできずにいた。

そして今年、3年目にして念願のNBL1デビューを飾ることとなる。昨季、馬場雄大(現Gリーグ/テキサス・レジェンズ)がNBLメルボルン・ユナイテッドでプレーしたが、女子の日本人選手がオーストラリアのプロリーグでプレーするのは山田が初。女子日本代表がFIBAランキング8位なのに対し、オーストラリア代表は同3位と、ハイレベルな環境に身を置くこととなる。

チーム側から発表があった16日。元ENEOS のチームメイトで、現在は東京医療保健大学でアシスタントコーチを務める吉田亜沙美とのインスタライブを行ない、近況を話していた。

オーブリーはシドニーとメルボルンの中間に位置し、そこへ行くには車で約3時間、電車で約4時間かかるという。4月9日に開幕戦が控えるなか、現在チーム練習は週2日(火曜・木曜)で、月曜・水曜・金曜のうち2日間で個人ワークアウトがあり、コーチが参加した選手たちへ指導している。
オーストラリアのプロリーグでプレーするとはいえ、「給与は生活できるギリギリのレベルしか支給されません。プロ選手を継続するには、自身をレベルアップさせ、より良い契約条件を獲得していく必要があります」と語る彼女は、自身の活動を支援してもらう「You and Ai」プロジェクトを今年3月12日に開設したことも発表。このプロジェクトのイメージ画には自らが描いたアート“BLOOM”があり、応援してくれる人たちの思いが詰まったものとなっている。

右ヒザ、左ヒザ合わせて計3度の前十字靭帯断裂という大ケガを乗り越え、オーストラリアデビューを控える山田は、インスタライブの中で「今はめっちゃハッピー」「バスケットがめっちゃ楽しい」「いろんなプレーを習って、自信がでてきた」とポジティブな言葉を何度も口にしていた。

そして「バスケをやっている子どもたちやいろんな選手が海外でもバスケをやれる、また挑戦したいと思ったら何でもできるんだ、という夢をもってもらえたり、一歩を踏み出す勇気を与えられるように頑張りたい」と決意を語った。

海外リーグに挑戦することは並大抵のことではなく、言葉や文化の違いに直面することもあれば、これまで経験したことのないバスケットボールへアジャストするために時間を要することもあるだろう。だが山田はリリースやインスタライブといったツールの中で、バスケットを楽しみ、前へ前へと突き進もうとしている姿が印象的だった。

異国の地で新たなチャレンジへ臨む山田。来月9日から幕を開ける試合はライブストリーミング配信される予定で、彼女の活躍に注目が集まる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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