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名手デュラントが「もう後悔しかない」と唸ったディンウィディーの2試合連続決勝弾はなぜ生まれた?<DUNKSHOOT>

13日のセルティックス戦に続き、2試合連続で決勝弾を決めてチームを勝利に導いた。(C)Getty Images
現地時間3月16日に行なわれたダラス・マーベリックスとブルックリン・ネッツによる一戦は、最後まで勝負の行方が分からない好ゲームとなった。

アウェーのマブズは12点ビハインドで迎えた最終クォーターに猛反撃。徐々に点差を詰め、残り4分20秒にジェイレン・ブランソンのレイアップで102−102と同点に追いつくと、3分8秒にはマキシ・クリバーのフリースローで逆転に成功する。

その後、ネッツに同点に追いつかれるも残り22.7秒にルカ・ドンチッチが同郷スロベニア出身の先輩ゴラン・ドラギッチ越しにステップバックジャンパーを決めてマブズがリードを奪う。しかし今度はネッツのスーパーエース、ケビン・デュラントがタフなプルアップの3ポイントをリングへ突き刺してネッツが逆転。これで勝負あったと思われたが、劇的な幕切れが控えていた。

マブズは最後のポゼッションでドンチッチが仕掛けるも、デュラントのカバーに入ってやむなくパスを選択する。

このボールを受けたのは今年2月にワシントン・ウィザーズから加入したばかりのスペンサー・ディンウィディー。

「最後のプレーを観たら、もう後悔しかない。もし俺がルカへ(ヘルプに)行っていなかったらどうなっていたんだ? 振り返ればわかることだ。違う判断をしていればと願うよ。……でも仕方ない。それが現実なんだ」

試合後にデュラントがそう悔やんだとおり、ディンウィディーは右ウイングからブザービーターとなる3ポイントを決め、マブズは113−111で逆転勝利を飾った。
ここ10戦で8勝目を手にしたマブズは、ウエスタン・カンファレンス5位の43勝26敗(勝率62.3%)とし、4位のユタ・ジャズとゲーム差なしとなった。

37得点に9リバウンド、9アシストをあげたドンチッチはラストプレーについて、「ボストンの時と同じ。それだけさ」と切り出し、「相手がダブル(チーム)できたら、誰かがオープンになるってこと。それが彼で嬉しかったね。彼はまたしても(重要な)ショットを決めてくれたのさ」と振り返った。

13日のボストン・セルティックス戦。マブズは終盤にドンチッチがディフェンダーに囲まれるも、ディンウィディーへとパスが渡り、残り11.6秒に決勝弾となる長距離砲をヒットし、接戦を制した。

そのディンウィディーは、マブズ加入後の12試合で平均17.9点、4.3アシストにフィールドゴール50.0%、3ポイント43.1%(平均2.1本成功)と絶好調。ネッツ戦では22得点(第4クォーターで15得点)、3スティールを叩き出し、逆転勝利の立役者となったのだが、本人は若きエースのドンチッチの活躍を称えていた。

「彼のことを称賛するしかないね。彼はスーパースターだよ。彼が望めば、何だってできるだろうね」

28歳のコンボガードは、ウィザーズでは戦術に馴染めず評価を下げたが、マブズ移籍後は見事なパフォーマンスを見せている。過去2年連続でプレーオフ1回戦の壁を突破できていないチームにとって、ディンウィディーは鍵を握る存在になるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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