カリーのシュートスランプは一時の不振か、それとも衰えか。“乱調試合”を今季だけで5度も記録<DUNKSHOOT>

年明け以降シュートスランプに陥っているカリー。調子を取り戻し、ウォリアーズを再び上昇させられるか。(C)Getty Images
開幕から20試合で18勝をあげるなど、ロケットスタートを切った今季のゴールデンステイト・ウォリアーズ。しかし年明け以降は7勝6敗と徐々にペースが落ち、リーグ首位の座を好調フェニックス・サンズに明け渡すなど、勢いに陰りが見え始めている。

失速した要因はいくつか考えられるが、そのひとつがエースであるステフィン・カリーの不振だ。今季のフィールドゴール成功率(41.6%)と3ポイント成功率(37.6%)は、ケガでわずか5試合の出場に終わった2019−20シーズンを除いてキャリアワースト。とりわけ1月以降はフィールドゴール成功率35.9%、3ポイント成功率29.9%とシュートスランプに陥り、平均20.8点にとどまっている。

そして現地時間1月23日(日本時間24日、日付は以下同)のユタ・ジャズ戦では、フィールドゴール5/20(成功率25.0%)、3ポイントに至っては13本放って決めたのはわずか1本(成功率7.7%)と大乱調。チームは終盤に追い上げられながらも2点差で勝利したから良かったものの、自身は勝負の第4クォーターで無得点に終わっており、負けていれば戦犯扱いは免れなかっただろう。

さらにこのジャズ戦を含め、カリーは1試合に20本以上のフィールドゴールを放ちながら成功率が25.0%以下だったケースが7度あるのだが、うち5度は今季記録されたもの。特に11月30日のサンズ戦では、同条件で自己ワーストのフィールドゴール成功率19.0%(4/21)に沈んでいた。
状況別の3ポイント成功率を見ると、気になるのがディフェンダーとの距離が4~6フィート離れた場面で放つオープンショットの確率の低さだ。0~2フィートのベリータイトでは54.5%、2~4フィートのタイトが43.3%、6フィート以上離れたワイドオープンが41.2%とそれぞれ高確率なのに対し、オープンショットは32.6%。1試合あたり6.1本放っているオープンショットが低調では、調子が上がらないのも当然と言えそうだ。

今季は公式球やルールが変更された影響か、3ポイント成功率のリーグ平均が34.8%と、10年ぶりに35%を下回っている。多くのシューターたちと同様に、名手カリーと言えど不振に陥っているとも考えられるだろう。しかしその一方で、カリーもすでに33歳。3月には34歳を迎えるため、衰えが始まっていても決しておかしくはない。

一時の不振か、それとも年齢による衰えか。いずれにせよ、カリーの復調なくしてウォリアーズの再加速、そして4年ぶりのリーグ制覇は難しいだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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