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黒光りする日焼けゴルファーはダサい? 日焼けをコントロールして健康ゴルフ

夏には日焼け、という常識はもはや過去のもの?

昭和の時代、この国の夏といえば『日焼け』でした。身体に塗るのは、日焼け止めではなく、きれいに日焼けための『サンオイル』だったのです。独特のココナッツ系の匂いを嗅ぐと、夏の海の思い出と当時のカレシやカノジョとのあれやこれやが蘇って、今でも興奮するというオールドゴルファーは一定数います。『サンオイル』は、夏の恋の匂いなのです。

日焼けの原因となる紫外線ですが、よく知られているのが「オゾンホール」の問題。これは80年代に南極の上空でオゾンが減ってオゾン層に大きな穴が開いた状態になっていることが発見され、一般にも広く知られるようになりました。さらに世界各地で既にオゾンが減っているとわかってきて、対策が進み出しました。

昔はよく“小麦色に焼けた肌”が健康的だと言われていたのが、紫外線によるがんのリスクなどが認知され、なるべく焼かないようUVケアをするのが常識となってきたのもこの頃からです。高校野球の甲子園の選手たちも、ハンカチ王子こと斎藤佑樹が夏を制した2006年を境に、日焼け=野球一筋、練習量モリモリ、スタミナもパワーもあるというセオリーが通じなくなりました。スポーツの世界にも美白の時代が来たのです。

ほぼ毎週ゴルフをしているのに、縁があってUVカットについて専門的なアドバイスを得て、それを実践しているお陰で、環境の割には日焼けしてない、と特に若い女性から評価されています。

皮膚ガン、白内障、疲労の対策としてUVカットはもはや常識。塗る日焼け止めは当たり前(スプレータイプなどでもOK)、顔、首回り、腕など露出している部分をガードします。真夏よりも太陽に角度がある春と秋のほうが、悪影響がある日焼けをしやすいので注意です。曇りの日も油断は禁物で、一部の紫外線は雲を透過するので、対策は不可欠です。

気になる紫外線量については、対策が進むと共にオゾンホールも現在は回復傾向にあるようです。ところが紫外線量は、いまだ増加傾向にあるといいます。日本だけではなく、先進国や人口の多い地域では、紫外線量は今のところ増加傾向が続いていると聞きます。これは近年の規制などで大気汚染が改善したことで、空気の透明度が増して地上に太陽光が届きやすくなったためだと考えられています。

日焼けで肌が黒くなるのは、紫外線を防御するための肌の仕組みで、皮下からメラニンが出て、沈着するからですが、この信号は、目から紫外線が一定時間と一定量入ることで脳から出ることがわかっています。UVカットのサングラスも、肌を黒くしないためと、白内障などの予防という意味で有効なのです。レンズカラーはできるだけ薄いモノを選びましょう。視界が暗くなると瞳孔が開くので、紫外線が入りやすくなってしまうからです。

UVカットの対策をゴルフが始まるスイッチにしてしまうのがオススメです。夏ゴルフだけではなく春も秋も、冬ゴルフも、UVカットはすべきだというのが専門家の意見。継続してみてわかったのは、日焼け止めを塗るだけでも、ゴルフスイッチをオンにするメンタル的な儀式として有効だということです。

とはいっても、夏ゴルフは危険が一杯。完全なUVカット対策をしているように見えたのに、「ちょっとだけ日焼けしちゃった」とウェアの端っこをめくって天真爛漫にアピールする女子が個人的には一番危険なのです。警戒と期待が入り交じる本格的な夏ゴルフは、すぐそこまで来ています。

(取材/文・篠原嗣典)

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