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プーチン批判をしなければウインブルドン出場禁止?世界ランク1位が直面する問題にロシアは反発「補償を払うべき」

世界ランク1位の実力を持つメドベージェフ。彼のウインブルドン出場を巡って騒動が起きている。(C)Getty Images
およそ3か月後に迫った「ウインブルドン」。テニス界屈指のビッグトーナメントは、選手たちにとって、キャリアの行く末を占うものだ。そんな大会への出場が危ぶまれているのが、世界ランク1位のダニール・メドベージェフ(ロシア)である。

ロシア軍によるウクライナへの侵攻が始まって以来、彼らを支援するベラルーシをスポーツ界から“追放”する動きが強まっているのは、周知の通りだ。先月28日には、IOC(国際オリンピック委員会)は、両国の選手と関係者を国際大会から除外するように勧告。これに続くように各競技でも、締め出しは加速した。

そうしたなかで、イギリスでは、より厳しい処分を下す動きが拡大。スポーツ担当大臣を務めるナイジェル・ハドルストン氏は、「デジタル・文化・メディア・スポーツ特別委員会」の公聴会で、「絶対に誰もロシアの旗を揚げることは許されないし、許可されるべきではない」と発言。当然、国内屈指のメジャーイベントであるウインブルドンへの参加にも苦言を呈した。

ウクライナ侵攻の終結が一向に見えてこない現状を鑑み、英政府と主催者は、追加制裁を発表。そのなかでロシア人選手の参加条件に、「ウラジミール・プーチン大統領への不支持の表明」を盛り込む案を持ち出したという。英紙『Independent』などが報じている。

同紙は、「メドベージェフは、プーチンを糾弾しない限り、大会出場を禁じられる可能性がある」とレポート。また、ブラジル・メディア『UOL』は「ウインブルドンを失うリスクを抱える“世界一”」と記したうえで、次のようにロシア王者の現状を分析した。
「世界ランクトップである実力派プレーヤーは、世界大会に出場する前に、母国のプーチン大統領に公然と立ち向かわなければならないかもしれない」

無論、ロシア国内では反発の声が上がっている。地元公共放送『RT』のインタビューに応じた元世界ランク9位のアンドレイ・チェスノコフ氏は、次のように訴えている。

「私は政府の決定とITF(国際テニス連盟)には、分離が必要だと思っている。ダニールには、この事態を解決に導く優れたコンサルタントと弁護士が必要になる。そして、主催者がロシア人の出場を除外したいのなら、彼らに金銭的補償を支払うべきだ」

今月1日に自身のインスタグラムに「僕は、世界平和、国と国との平和を願いたい」と投稿していた26歳。そんな世界ナンバーワンプレーヤーは、この先、どのような決断を下すのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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