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キリオスが少年への“好意”を全否定した対戦相手に痛快に応戦「奴はハロウィンみたいな服を着てた男だぜ」<SMASH>

キリオス(左)がハロウィンの衣装のようだと揶揄したビーナスのウェア(右)。自身への批判にユーモラスな反撃を見舞った。(C)Getty Images
1月30日に幕を閉じた今年最初のグランドスラム「全豪オープン」。大会期間中、話題に事欠かなったのが“テニス界のエンターテイナー”とも称される26歳のニック・キリオス(オーストラリア)だ。

今大会のキリオスは、同郷の親友で1つ年下のタナシ・コキナキスと組んだ男子ダブルスで、地元選手ペアとして1997年大会のトッド・ウッドブリッジ/マーク・ウッドフォード以来25年ぶりとなる全豪優勝を果たした。

最高峰の舞台で優勝トロフィーを掲げたキリオス。本大会でもラケット破壊や騒がしい観客に中指を立てるなど相変わらずの異端児ぶりを発揮していた一方で、心優しき一面が垣間見えたシーンがあった。

それは第6シードのマイケル・ビーナス(ニュージーランド)/ティム・プッツ(ドイツ)との準々決勝、第1セット1−2のゲームだった。コキナキスのサービスがネットをかすめて「レット」とコールされ、相手が打ち返した山なりのボールを、キリオスは反射的にコートに叩きつけた。ところがバウンドしたボールが観客席の子どもに当たってしまい、その子が泣き出すというハプニングが発生したのだ。

瞬間、キリオスは思わず「やってしまった…」と言わんばかりの表情を見せたが、お詫びの印として自身の新しいラケットを号泣した子どもにプレゼント。テニス系海外メディアの『Tennishead』によると、それを受け取った子どもは笑顔になり、試合後にキリオスはそのラケットにサインもしてくれたのだという。この一連のキリオスの行動が全豪の大会公式SNSでも公開されると、ファンからは続々と称賛の声が上がった。
だが、この試合で敗れた対戦相手の1人であるビーナスは母国ニュージーランドのニュースメディア『1News』のインタビューで、ボールを観客席に打ち込んだうえに、危害を加えたことの方が大きな問題だと主張したのだ。

「あいつは本当のバカだ。彼は偉大な選手になるための全てを備えているが、恐らくそうはならないだろう。子どもにボールをぶつけたのに、ラケットをあげただけで“いい人だ”と言われる。賛否あるだろうが、確かなのは彼が絶対的なバカだということだ。自分のことを話題にさせるために何でもするんだ」

そんななか、このほど母国のテレビ番組『TODAY』に出演したキリオスは、自身への厳しい批判を口にしたビーナスに応戦。準々決勝でビーナスが着用していた派手な柄のウェアを引き合いに、こう言い放った。

「マイケル・ビーナスの口から出てくるものは考慮に値しないね。奴は、俺がハロウィーン・パーティーに着ていくような服を着ていた男だぜ」

これには司会者も思わず吹き出して大喜び。同じく中継で出演していたコキナキスも笑いを抑えられなかった。

ちなみにスペインテニス専門メディア『Punto de Break』によると、キリオスは今後もコキナキスとのペアで主要大会の男子ダブルスに出場する意向を示しているという。いずれにせよ、これからもキリオスの言動には何かと注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

【PHOTO】キリオスら、プレーの合間に垣間見えるトッププロの素顔

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