• HOME
  • 記事
  • テニス
  • 悪童キリオスがビッグ4を「10年に1度のアスリート」と称賛。一方自らは「情熱的でも意欲的でもない」と卑下<SMASH>

悪童キリオスがビッグ4を「10年に1度のアスリート」と称賛。一方自らは「情熱的でも意欲的でもない」と卑下<SMASH>

独自の価値観を持つキリオスは、ビッグ4の姿勢を賞賛しつつも、自身はそうなれないと認める。「ただテニスを楽しみたい」のが彼の思いだ。(C)Getty Images
トリッキーなプレーと破天荒な性格で絶大な人気を誇る男子テニスのニック・キリオス(オーストラリア/世界ランク93位)が自身のポッドキャスト「No Boundaries」で、「ビッグ4」と称されるノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)、ラファエル・ナダル(スペイン/6位)、ロジャー・フェデラー(スイス/16位)、アンディ・マリー(イギリス/134位)の4人を称賛した。

類まれなセンスを持ち、かつては男子テニス界の次代を担う選手として注目されていた26歳のキリオス。だがコート上での度重なる悪態行為や主審への暴言などが取り沙汰されることも多く、その潜在能力を十分に発揮できていないのが現状だ。

また、昨今は新型コロナウイルス感染拡大の影響から出場を辞退する大会も増えており、今季は7月のウインブルドン後、出場した5大会でわずか1勝にとどまった。そのような状況がモチベーションの低下につながっているのか、自身の今季最終戦となった9月末のレーバーカップの記者会見では「あと4、5年はツアーでプレーするつもりだなんて、嘘をつくつもりはない」と近い将来での現役引退も示唆していた。

だからこそキリオスは、常にテニスに対して全力を注ぎ、数々の輝かしい功績を残してきたビッグ4に驚きを隠せないという。「ある特定の選手がテニスに対して非常に献身的な姿勢を見せているという理由で、より敬意を抱くことはない。それは人それぞれだからね」とシニカルな態度を取りつつも、以下のように続けている。
「(Amazonプライムの)マリーのドキュメンタリーを見たが、彼は夜中の3時に陣営に電話をかけて、『このスポーツがないとどうなるかわからないから、プレーできないのが怖い』と言っていた。僕は勝負をするのは大好きだけど、彼ら(ビッグ4)のように情熱的ではなく、意欲的でもない。彼らは10年に1度のアスリートと言えるだろう」

その後、キリオスは改めてそんな偉大な4人と自身を比較した上で、「多くの人を助け、多くの選択肢があり、健康で、素晴らしい友人たちに恵まれること。それが僕の子どもの頃の目標だった。グランドスラムで優勝することは考えていなかった。ただ、テニスを楽しみたかったんだ」とコメントした。

そのキリオスは11月24日にツイッターでハードなトレーニングを行なう動画で公開しており、すでに来シーズンに向けて調整を進めているようだ。精神的につらい状況が続いているのかもしれないが、エンターテイナーのキリオスにはまだまだファンを魅了してもらいたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】プレーの合間に垣間見えるトッププロの素顔

関連記事